質問
「冥想の最中に、木を折るような音がしました。自分ではいわゆるラップ現象ではないかと思いましたが……?」
回答(スマナサーラ長老)
こころがすごく何かの仕事に頑張っていて、元に戻ると、最初に五感をスイッチオンにしちゃうんですよ。スイッチオンにしたとたん、普通よりは物事を受け取っちゃうんですね。ほんのわずかな時間ですけど。
それから、たとえば事務所の窓口を開けたところで、一番最初のお客さんに対しては、インパクト強く対応するんですね。お客さんがドンドン続いて、百番目くらいになると、いわゆるおざなりな対応になります。
そういう感じで、冥想していると、ある程度で五感がスイッチオフになる。ある程度で。
それからスイッチオンにすると、普段よりよく聞こえる。普段より鮮明に見える。そういう現象なんです。
自分が何かやっているわけじゃないんです。
ときどきわたしは、壁の音を聞こえますか? と聞かれます。
聞こえますよ。わたしの部屋は、部屋そのものが音を出すわ、出すわ。五感がいつも活動状態にいるんですね。だから、物事が鮮明に聞こえたり。地面がいつでも動いているんですよ。それをたまに感じることもあります。「動いているな」と。「でもこれは地震にはならない」とかね。
われわれは普通感じないでしょう? 地面というのはいつも動いているんですね。わたしもいつも感じるわけじゃなくて、感じるときもあります。また、自分の細胞のゆらぎか、地面のゆらぎかとハッキリしないときもあります。
そういうことで、あまり形而上学的に妄想しないほうがいいんです。
(おわり)
東京法話と実践会 2016.07.24
http://www.ustream.tv/recorded/89905720 (期間限定公開)を聞いて書きました。
参考外部サイト:
ヴィパッサナー瞑想で進歩するということ - Theravada Online ゴータミー精舎日記
Q 八ヶ月も冥想続けて、何の体験もない。同じところをグルグル回っている感じがします。本を読んだりすると、冥想していろいろ体験を得る人もいるみたいですけど……
A (冥想をして何かの現象、神秘体験を求める人は、)残念ながら、冥想で成功しない道を選んでいるようです。ブッダの道からかなりずれています。……