ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

金銭的な成果は、どこまで追求していいのでしょうか?

質問

「商売で、金銭的な成果は、どこまで追求していいのでしょうか? 」

 

回答(スマナサーラ長老談)

 

「金儲けしよう、金儲けしよう」とばっかり思ってしまうと、欲で壊れてしまいます。

どれくらい金があればいいのかと考えることも、ちょっと意味がないんです。普通は、自分で頑張って努力して得た収入で、人生を間に合わせなくちゃいけない。それを理性的な生き方と言います。

 

十万円しかもらってないのに、買い物して食事してみたら、さらに二十万円もかかってしまった、と。

人は、いかに巧みに物事を管理して進むのかというのが課題です。動物にはそういう課題はありません。だから、収入が十万円だったら、十万円で間に合わせることが賢い生き方です。

 

そこで、収入が百万円なのに、十万円で生きているなら、それも愚かな生き方です。

収入が百万円だったら、それに適した生き方をする。十万円だったら十万円に合わせる。そこで、ずっと百万円の収入ではなくて、ジワジワとそれが下がってしまって、五十万円になって、二十万円になるとします。生き方の下手な人は、それでものすごく悩んでしまうんです。自殺するバカもいる。仏教からみれば何のことはない。減収に応じて、使い方を抑えてみる。そうやって調整をしていくんです。

 

人生はいつだって、調整の世界です。

結構賢い女性たちがよくやっていますよ。旦那の収入が上下しても、家族はそれほど変化を感じないんですね。ちゃんとご飯を食べられるから。しかし、お母さんは色々な工夫をしています。料理の仕方を変えたり、牛肉を使っていたのに、チキンになっていたり。食べている家族はいつも通りに、「ああ、おいしいね」と食べる。そこでお母さんは、ものの見事に「管理」をやっているんですね。カラクリではないんだけど、その管理ができるということが「賢い」ということなんです。

 

そういうわけで、相対的というのは、他人に対して相対的なのではありません。

この場合は。自分の収入にしっかり間に合う生き方をする。その人は幸せです。世間と比較すると、誰も幸せになりません。

 

たとえばあなたは、トランプさんの収入と比較するなら、なかなか幸せになれませんね。

トランプさんは大統領としての報酬はいらないと言うくらい、めちゃくちゃ金持ちでしょう。自分の子供たちや親せきにホワイトハウスの仕事をあげて、それで「自分は給料はいらない」と言う。給料はいらなくても、家族や親戚たちとやっていることが間違っています。

それは措いておいて。

 

あなたは社会にインパクトを与えるものすごいことをやりたいと思っているでしょう。

そういうことがわれわれにできるのか、と。できるだけ現実的になって、自分が役に立てばいいんです。それで頑張ればいいと思います。

 

商売は、儲かるためじゃなくて役に立つようにならなければいけません。

役に立たなかったら商売にならないんです。ビジネスにならないんです。ビジネスとは、客の役に立っている。

 

Facebookも、初めは遊びでつくりだしたものですけど、これがみんなの役に立つわ、役に立つわ。

それでハチャメチャ儲かっちゃって、もう金はいらんや、という状態にまでなった。Facebook創始者は、狙ってやったことでしょうか? このくらいFacebookを世界に広げましょう、と。世界中の一般人から政治家まで、わたしが支配してやろう、ということを思って始めたわけじゃなかったんです。ただ楽しくて、お互いが連絡を取り合えるのが楽しいでしょう、とその「楽しい」ということが役に立つんですね。ただそれだけ。シンプルな考えなんです。そこで本人が自分の能力を生かしたわけです。

 

商売とかビジネスというのは、役に立つことで成り立つもので、それを忘れると大変です。

役に立つことで成り立つのだということを忘れて、製品を無理矢理売り込もうとして、断られると落ち込む。買った人も、役に立たなかったのだから文句を言う。

そんな商売をやっていいのかいと。

 

大きなスケールで、というよりも、役に立つ程度でビジネスをすればいいんです。

自分の能力範囲で、まず始める。それから能力というものも成長します。経験やら学ぶことによって、自分の能力は上がる。その上がったものを拡大する。

 

われわれは、いきなり最終結果を思い描いてはいけないんですね。

資金の問題など、いろいろなことを考えるとき、ちょっと考え方がおかしくなっちゃって、壊れてしまうんですね。

 

憶えるポイントは、

「今のわたしに、実現できますか?」

と自問すること。

 

「今のわたしには、この程度ならできます」というところから始めるんです。

それから経験能力が成長します。だから「今のわたしには、資金百万円の商売だったらできそう」と、それで能力が上がったら、百五十万円の資金に拡大する。それにもリミットがあります。たとえばホテル経営で、日本から出て世界的なホテルチェーンになると、管理は創始者から離れる場合も多くあります。

 

そういうわけでどういう人にも、無限に能力があるわけじゃないんです。

それをギリギリまで拡大するのは構いません。世の中でよく言っているのは、「友達を作りましょう」と言っても、一人の人間に管理できる友達の数は制限があります。たくさん友達がいればいい訳じゃないんです。友達として付き合いができる範囲で友達がいればいい。

友だち三人との付き合いでクタクタの人間が、友だちを六人に増やしちゃうと大変ですよ。

 

そういうふうに物事を客観的に捉えることが必要です。

(終わり)

 

東京 法話と実践会 2017.04.23 よりメモしました。

期間限定公開動画  http://fb.me/VtsVf0I9

当日のTwitter http://twilog.org/jtba_talk/date-170423/asc

 

 これなんだと思いますか? 本物?

 

(答え:ドアストッパー)