質問
「以前から別の仏教宗派に通っています。テーラワーダ仏教にも通うようになって、以前の宗派の教えと相容れないところが気になってしまうのですが?」
回答(スマナサーラ長老)どこから答えればいいんでしょうかね(笑)
「ちょこっと前置き」
文章にすると伝わりにくいのですが、今回は明るく和やかな雰囲気でした。この説法は特に、この「説法めも」より動画の方を直接ご覧になるほうがお勧めです。内容は宗派への非難ではないですが、念のため前置きしました。
質問者「以前のお寺に行かなくなっても障り(祟り)はないのですか?」
回答 障りは一切ありません(笑)そこへ行ったからといって何の幸福も無かったんだから。
質問者「あ、でも、毎月御祈願したら、自分の目標を達成できたこともあったんですけど」
回答 それは行かなくっても達成しますよ(笑)
質問者「それと、お仏壇も入れてもらって、とてもお世話になって」
回答 それはただあなたが気持ちいいだけ。「これならうまくいくんだ」と、あなたの心に自信がついてくるんです。それだけの話です。今日から、自分自身の中にうまくいかせる力があるんですと思えばいいんです。自分だけの力でそれを思えないんだから、お守りとかいろいろに頼るんです。
質問者「お祈りを唱えたりしてたんですけど」
回答 そういうのはマインドコントロールと言うか、暗示システムを作っているんです。あなたが通っていた宗派だけの問題じゃなくてどんな宗教でもやっていますよ。マインドコントロールして、宗教は人を不幸に陥れる気持ちはないんだから、幸せになる方法やらあれやこれやとやっていますよ。
質問者「魂ってなんなのかなと」
回答 あれは迷信です。私たちテーラワーダの僧侶にも、「家に仏像を置きたいので魂を入れてくれ」と頼まれるんですけど、それでお経をあげてあげます。頼んだ本人が気持ちよくなりますから。だけど、(私が)魂を信じているわけではないんです。
祟りは一切ないです。それだけ覚えておいてください。
お釈迦様の仏像は、我々が集中するためのただの対象なんですね。だから大日如来は存在しない。まるっきり架空。観音様も存在しない。架空。お釈迦様は歴史的に存在しました。
質問「あの、いいですか? 以前の宗派では『観音様はお釈迦様の生まれ変わり』って習ったんですけど」
回答 それは完全に嘘です。何の証拠もありません。お釈迦様は生まれ変わりません。
あれはヒンドゥー教です。ブラフマ神がすべて作ったと、仏教徒が仏教を破壊するために仏教の教えを変えたんですね。森羅万象の大元となる法身というんですね。法身たる大日如来があるんだと。そこからすべてあらわれてくるんだと。だからみんな仏舎を持っているんだと。ブッダの法身の分身だからね。この考えはヒンドゥー教です。そんなのは一切ないと、ブッダが教えを説いたんです。だから心配する必要はないんです。
しかし、あなたの以前の宗派も人間ですよ。人間として仲良くしてください。
私も、別宗派の法要に行って参加することはあります。キリスト教のミサにも呼ばれれば行きます。そこで私が何を感じるかというと、私も同じ仲間として受け入れてくれたことが有り難いんですね。差別なく。「この小乗仏教の坊主はあっちへ行け」ということはなくてね。それは人間ができてるでしょ。教えはどうであっても。
その別宗派のお経を読むときも、なんの効き目も無いと知っていますけど、そこの人々の気持ちは素晴らしいものなんです。友達として付き合ってください。
でも、迷信だけは捨ててください。
そして本人(以前の宗派の人々)にはあまり言わない方がいいんです。今まで通り仲良くしてください。
ドラマに参加してみるみたいな気持ちで。楽しいと思いますよ。
私たちは人間関係が崩れることはしてはいけません。
キリスト教の方とも、イスラム教の方とも仲良くするべきでしょう。だけど信仰は持ち込む必要はないでしょう。そういう迷信は一切存在しない。
すべて自分の心次第です。
バチが当たるだろうと思ったとたん自分の心が弱くなっちゃうでしょ。バチなんてあるわけないでしょうと思えば、無いんです。
そういうことで、明るく頑張ってください。
2014年9月14日(日)法話と実践会よりメモしました。
動画(期間限定公開):http://www.ustream.tv/recorded/52643301 動画上時間は、01:02:00頃~