質問
「部屋にゴキブリが出まして、長老の体験談に従って、風を当てて捕まえて、外に逃がそうとしているんですが、息を吹きかけても、ゴキブリが止まらないんですね。
長老の本では、息を吹きかければ、ゴキブリは触覚で判断しているので、そこで捕まえられるはずだという教えだったんですけど、ササッと逃げて行っちゃって、捕まえることができずにいます。
最近は(ゴキブリ)家族も増えまして、そのでっかいのと中くらいのと、全部で三匹はいるんですが、どうやって捕まえたらいいでしょうか?」
回答(スマナサーラ長老)
空気の圧力とかあると思いますよ。たとえば扇風機から風を当てているならば、その風を遮らないように手を出さないと、風が止まった途端、ゴキブリはあなたの手の動きを知るんです。
また、すべての生命に気持ちが通じるんですよ。あなたは、ゴキブリのことを結構嫌がっていますよ。せっかく仏教をやっているから、殺したくはないという気持ちはあるんだけど、まだまだ、こいつら嫌な奴だという気持ちが残っているから、そこは通じちゃうんですよ。
だから、できる限り、住む世界をきれいにして、慈しみの気持ちを持って、ゴキブリもわれわれと同じで一生懸命生きているんですよ、と。どうか外で頑張ってもらえればありがたいな、とかね。あんたがたのこと、嫌いじゃないんだけど、人間の世界ではね、困りますよ、という世界を作っちゃえばね、どんどんゴキブリは減っていくと思います。
昆虫は迷惑をかけますよ。われわれ人間も、どこかで怠けるところがいろいろあるんだから、そこらへんでチャンスだと昆虫が思って、その隙間に割り込むんです。家の中の人間の縄張りをしっかり作ると、ほかの生命は入ってこないんです。
ですから、誰だって完璧じゃないんだから、いろいろあります。あなたの家の問題は、適当に見えるところは、きれいにしてあるかもしれませんが、ほかのところは「面倒くさーい」と手が行き届いていない可能性がありますよ。
微生物・細菌が成長するのはそういうところでしょう? わたしたちがきれいにしているところにはそういうのは増えない。カビもそうでしょう? ちょっと手が行き届かないところにカビが生えてくるんですね。
普通言いますね、部屋をみると性格がみえますよ、と。そういうことなんですね。
だからと言って、完璧を演じることはできませんからね。そこら辺は大目に見るしかないんです。でも、人間だからできるだけ怠けがない方がいいと思いますよ。
われわれには、怠けないで頑張らなくちゃいかんという使命はありますよ。
そのくらいで頑張ってみてください。
東京法話と実践会 2015.10.25
http://www.ustream.tv/recorded/76180966
ゴキブリ関連の法話:
すべての「説法めも」を読むには:【目次】説法めも