ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

欲はすべて体にある - ウェーサーカ祭2007(3)

<前回 「わたしのもの」とはどんなもの - ウェーサーカ祭2007(2)

 

そういうわけで、幸福は何なのかとお釈迦様が教えたんです。

 

この世の中で、人間が幸福だと思うものがありますよ、と。

それをカーマスカ(kāmasukha)というんですね。「欲から得られる快楽」。

その場合でもお釈迦様は正しい単語を使っているんです。

 

世間では財産が幸福だと思っています。

財産は幸福ではないんです。お釈迦様が言うのは、「五欲」という単語なんですよ。ネックレスをつけたと言っても、それに幸福はないんですよ。金属を首にかけて幸福なら、猫や犬にチェーンをかけたっても同じことですよ。それなのに、自分が妄想して喜ぶんですよ。「これは十八金だ。二十グラムだよ。四十万円だ」と。

 

そうやってこころで喜びを感じる。

物を見たら、目で刺激を感じるんです。耳で刺激を感じるんです。舌で刺激を感じるんです。

 そちらなんですよ、楽しみがあるのは。外じゃなんです。

 

だから、あるものを観て、われわれは楽しみを感じることもできるし、嫌な気分になることもできます。

絵画を観て、素晴らしく感動することもできるし、「なんかおもしろくない」と思うこともできます。「おもしろくない」と思った絵画を買って飾っても、幸せに感じない。自分が感動する絵画を買ったら、「わたしは贅沢者だ。結構幸せだ」と思っちゃう。

 

結局、俗世間にある欲っていうものは、体にあるものです。

それを分かっていないんです。

 

そこで地球のものを全部「わたしのものにしてやるぞ」と頑張っている。

世の中で幸福だと思っている一切の幸福、すべてまとめても、それだけじゃないんです。

(続きます

心がやけどしている - ウェーサーカ祭2007(4)

 

ウェーサーカ法話(2007年5月12日)アルボムッレ・スマナサーラ長老

https://www.youtube.com/watch?v=sQT_7Z4XbwA を聞いて書きました)

Body Worlds - ANIMAL INSIDE OUT

参考外部サイト:

巻頭法話(67) 説法は耳障り 2000年9月

お釈迦さまが、殺生をしないように、嘘をつかないように、よこしまな行為をやめるように、飲酒をやめるように、話をすると、今までそのような行為をしながら生きてきた人々にとっては、耳の痛い話になります。

(略)

欲望、怠け、怒り、嫉妬、憎しみ、などの問題で悩んでいる人も、欲望などの危険性を語られると、おそらく良い気分ではなかったでしょう。昔お釈迦さまに出会った人には、今の人もよく言う「おっしゃることは事実でそのとおりですが、なかなか実行できない」という精神状態が、もっと強くあっただろうと思います。……