ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

物質的に豊かになっていくことと、心の豊かさの関係は?(後編)

物質的に豊かになっていくことと、心の豊かさの関係は?(前編)から続きます)

お釈迦様は、そう言っても皆さんがやってくれないと知っていますけど、仏教的にはこれで解決する世界であると教えているんです。

 

宗教というのは機関銃を持たないと広げられないものだからね。だから仏教は広がっていきません。どこ行っても追い出されます。

 

日本の政府は、宗教は守られますと言いながら仏教の邪魔をするんだけど、イスラム教には全面協力する。イスラム教の人びとがわれわれには墓地が必要と言ったら、その地方ではちゃんと用意してあげるんです。福岡とかそういうところでね。

なんですかね、これは。

 

悪口はそれくらいで終了しますが(笑)、言いたいポイントは、世界宗教になっているものは、みんな鉄砲を持っていたんです。人を殺しちゃったんです。殺して、脅して、宗教を広げるんです。殺せない場合は精神的に脅すんです。「あなた、神を信仰しなかったら地獄に行くんだよ」と。

 

この間イスラム人で知識人の話を聞いていたんですけど、相当頭のいい勉強家なんですけど、キリスト教の方々はその人に質問するとき、聖書を開けながら引用していたんです。しかしそのイスラム人は、聖書を見ないでドンドン引用する。この人は相当暗記しているなぁと。しかしわたしもやり方は同じだからね、どういう方法か知っています。自分の言いたいポイントに合わせて(紐づけして)覚えているだけ。だから聖書を全体的に学ぶ必要なないんです。

 

だからどうったことはないんだけど、それでみんながびっくりするんですね。そこで彼のワンポイント。「モーゼの時代で、モーゼしか人々を救えませんでした。イエズスの時代で、イエズスのみが天国へ行く道でした。ひとつの時代に、一人の予言者だ」と。

イスラム教ではその時代ごとの預言者がいて、最終預言者はモハメッドという人。イエズスも精神的に不安定でしたけど、モハメッドほどじゃなかったんです。

 

そこで今、かつてのユダヤ教、かつてのキリスト教、当時はあなた方が言っていたことは正しいんだよと。これからは、モハメッドが道になる。だからイスラム教は平和な宗教です。どんな宗教も認めてあげますよ、と言って、殺すんですね。エジプトでキリスト教の人びとはかなり殺されてしまいました。イラクで、インドネシアで、殺すんです。教会に火を付けちゃう。それでイスラム教は世界平和だと言う。

 

だから宗教は脅すか鉄砲を持つかどちらかですからね。だから慈しみの教えはみんなに嫌われちゃうんです。すべての生命に生きる権利があるんだよ、というと、これは認めませんという反応です。

 

だからお釈迦様は当時でも知っていたんです。「慈しみは、教えても実行しませんよ」と。しかし理性のある人々に真理を理解するために道を教えてはあげます。

 

だから質問の中身に入ってみると、物質的に豊かですか、精神的にはどうですか、とくだらない質問をするんですね。今は物質的に豊かですから、これから精神的な世界ですと。いい加減にしろよと。

 

NHKで「こころの時代」という名前で番組があったんだけど。今はあるかどうかわかりませんけど。もっと根本的なところに問題があるんです。初めから物質だけの世界というのはなかったんです。自分が生きているから物質の世界があると認識するでしょう? 

 

だからこれは間違っている単語なんですけど、初めは「自分」がいるんですよ。

それで世界があると認識するんです。正しい言葉は「初めから世界があった」なんですけどそれは推測ですね。知らないんだから自分がね。推測ではなくてわたしが発見した経験から見れば、ここでわたしがいる。周り見たら世界がある。

 

世界が初めからあったことが現実ですけど、その現実は推測で分かっているんです。経験で分かっているわけではないんです。

では、わたしが生まれる前の世界は経験できないんです。

 

それで、命があって、この命が現れた瞬間から自然を破壊するという行為をやっているんです。だから最初から心にあるんだよと。動物にしても自然を破壊するんです。

象さんも枝をちぎって食べているんです。大量に。

 

例えば一日二百キロ、三百キロ、葉っぱを食べるとしたら、それが成長する時間はどのくらいかかりましたかね。だから、魚であろうが微生物であろうが、命あるものは自然を変えて、変えて、変えていっちゃう。自然は逆に、元に戻ろう、元に戻ろうとする。

 

そういうことで、仏教は物質的に豊かとかそういうことは措いておいて、心の問題を直してください。それであなたは、どの程度で自然を破壊すればいいかとよく知っている人間になります。生きているんだから、ある程度で破壊せざるを得ませんね。その限度を知っているんだよと。この限度を知らないのが俗世間で、だから物質的に豊か、という言葉が入ってくるんですね。どこまで豊かですかね?

 

今も日本は経済成長をしなくちゃと詠っているでしょう? いつでも数字で、経済成長はこれくらい、と。

 

物質的な豊かさを目指すとは、精神的におかしい、いかれているんだという話になるんです。豊かになればなるほど精神的に壊れていくんですね。

だから、正しい生き方とはバランスなんです。だから体に必要な食べ物を取りながらバランスを整える。

 

出家にお釈迦様が、「ただ寒さ、暑さ、虫に刺されない程度の服で十分だ。死なない程度の食べ物で十分だ。病気になったら、その病気が緩和する程度の薬で十分だ。住むためにお城は要らないから木の下でも十分だ。その量を覚えておいてください」と。

それが出家の基本戒律なんですね。

 

われわれも自分に必要な量をまず理解する。理解してみたら、必要な量よりは何倍も持っていると見えてくるんです。だったら穏やかでいればいいでしょう。それでも悩んでいるんです。もっと金を儲けなくちゃ、もっと新しい服を買わなくちゃ、もっと家を大きくしなくちゃとかね。それは病気なんですね。

 

必要な量は、本当はこれだけだ。でも見てみれば、これより一万倍も一千倍も持っているんじゃないかと。たとえば自分が一日生きるためにどのくらい金が必要かと計算してみてください。現実的に。そうみると、それよりたくさん持っていることが分かるはずなんです。

 

一番明るく生きているのは、バイトで生活している学生さんでしょう。あの人々は遊びたいけれど、バイトをやらなければお金がないでしょう。バイトをやるんだけど一日の遊ぶお金が入ってくるとそれ以上仕事しないんです。店のほうが「もうちょっと、三時間程度やってくれませんか?」と言っても「いえ、用事がありますから」と帰っちゃうんです。自分に必要なお金は手に入っちゃったんだから。あの人々はものすごく明るいんです。

自分が欲しいものを得られればそれで十分、となるんですね。

(終わり)

 

関西月例冥想会 2015.06.07

https://www.youtube.com/watch?v=tadfClGVCbo よりメモしました。

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関連エントリ:

スピリチュアル霊能師が、霊魂は確かにあると言っていたのを聞いたんですけど……

「今は心の時代だ」とかいうでしょ。

経済的にも科学的にも発展したし、人間はすべてそろっているし、ハイ、これから心の時代に挑戦しますというのは、嘘を言うなよとわたしは言いたい。

経済はあまりにも異常現象を起こしているんだから、あなたがたには太刀打ちできなくなっているだけでしょ。経済システムに奴隷になっているだけだ。人間として生きることもできなくなっているんです。

科学はあまりにもバランスを整えていなくて異常発生しているんだから、一部だけ。何が起きているかと分からなくなって、われわれは科学の奴隷になっているだけ。

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