「未来の組み立て方」
(スマナサーラ長老・関西定例冥想会 2011.07.11
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/1433804.html)
生来を考えて計画を立てるということは、やらない人間はいないんです。どんな人でも将来のことは考えていますよ。
世界中の人類が将来のことを考えています。その中にはノーベル賞をとった人もいるし一流の哲学者もいるし、大胆な政治家もいるし、田舎のおじいちゃん・おばあちゃんもいるし。小学生の子供たちに聞いても、将来のことを語るでしょう。
ということは、みんな知っているはずなんです。どのように将来を組み立てればいいかということは。これほど、人類が一斉に語っていることだから、間違いなし。
みんなしっかり知っているはずなんです。
そういうことで、将来は大丈夫です。すべての人類が一斉に考えてくれているんだから、仲間がいっぱいいるんですよ。
お父さんもお母さんも子供の将来を考えているし、政治家も、日本国民の将来のことを朝から晩まで真面目に考えています。
だから、テーマを変えます。もうわたしから言うこともありません。(聴衆笑)
でも、なんかおかしいでしょう? なにか、おかしい。
そこまでみんなが考えているのに、未来は真っ暗。考えれば考えるほど、暗くなる。
なんでですかね? みんなが将来を考えているのに。
そこは後で考えましょう。
一部、将来のことは気にしない人もいるんですね。将来なんかどうなってもいいや、という人。これはカッコいいんじゃなくて、何か問題があるんですね。英語だったらちょうどいい言い方があって、They has issues. というね。精神的にはかなり問題にはなります。
将来なんかはどうだっていいや、という人。気にもしない。そういうのは明らかに病気です。
じゃあ、わたしたちは大丈夫かというと、将来のことを考えているんですけど、先に進めないほど真っ暗で、とんでもなく乗り越えられないほどの石の山にしているんです。
これですね、わたしたちの問題は。ジレンマが出来ているんですね。すべての知識人やら、すべての人々は将来のことを真剣に考えている。冗談じゃなくてものすごく真剣にです。
たとえば、お母さんが、子供の将来をいい加減に考える? あり得ないでしょう。ものすごく真剣に考えているんです。しかしお母さんが子供のことを考えれば考えるほど、子供がダメになっていくんです。
矛盾がそこにあります。
すべての科学者が、哲学者が、知識人が、将来のことを考えている。だから、答えが出ているはずなんです。
しかし、現実には、まったく将来については暗闇です。
それは矛盾ではないですか。
答えはすごく簡単ですよ。
その人たちが、将来のことを考えてもろくな結果にならない、ということです。
ですから、言うべき言葉は、「お願いですから、将来のことを考えないでください」なんです。
お分かりになりますかね。人間には将来っていうのは考えられないんです。
今日のテーマの結論はこれです。「余計なことをするなよ」
(未来の組み立て方(2)今日は今日だけ に続きます)