ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

ラブレターを渡すとき、なんでドキドキするのか?

質問

「昨日会社で、150人くらいの前でプレゼンをしました。自分の番になったら、音が聞こえるくらい心臓がドキドキ鳴ってきました。そこでヴィパッサナーしてみたら、淡々とプレゼンできましたが、なんであんなにドキドキするのか? と思いました。

 

それと似たようなことが、高校のときにありまして、通学中、同じ電車でかわいい子がいて、ラブレターを書きました。いざ、それを渡すとき、心臓がドキドキしました。昨日のプレゼンの比じゃないくらいでした。口の中がカラカラにもなりました。口の中をカラカラにしようと思っても意図的にはできないのに、そういうときは、どうしてカラカラになるのでしょうか?」

 

回答(スマナサーラ長老)

そこまで観察したら、ご自分で発見したほうがありがたいと思いますけど(笑)。

 

では、論理的なところを、一応、皆様に説明します。

 

わたしたちは、行くか行かないか、生きるか死ぬかの究極の選択を迫られたとき、心臓がすごくドキドキします。一番わかりやすい例は、先ほどの、学生のとき手紙を渡そうとしたことですね。子どもたちに誰だってあることで、そういうときはすごくドキドキするんですね。特に男性の場合はね。なぜかっていうと、「気に入っている女性に、受け入れてほしいんだけど、却下されて元々だから……」と、生きるか死ぬかのような死活問題なんですね。その状況に遭遇すると、心臓が激しくドキドキするんです。いつでもそういう、二つの選択がある場合は、ドキドキする。

 

会社のプレゼンの場合は、「なんでも発表してしまえばいいんじゃないか」といういい加減な気持ちでいると、ずっとストレスが溜まって後味が悪いんだけど、ドキドキはしません。そうではなくて、「しっかりやらなくちゃいけない。でも、できるかな、わたしに……」と一か八かのような場合はドキドキする。そういうときは、質問者の方がやったように、ヴィパッサナーで状況を観察する。

 

若い子のように、「心臓がどきどきするー! でも(手紙を)上げます!」とかね。それで渡してしまうと、リラックスするんです。

 

そういうことで、人生に関わること、結果が一か八かとわからないこと、この二つの原因で心臓がドキドキします。ヴィパッサナー実践をする癖がある人々は、そこはなんのことなく、「毎日同じこっちゃや」ということで生きていられます。

 

「毎日同じこっちゃや」と。「今日は発表の日だ」と、それだけ。昨日は準備の日でした。準備できたら、次に発表しなくちゃあかんだから、ドキドキしない。

 

わたしにも一回や二回ありましたからね、自分の人生でね、そういうことは。まぁ、あまり恋したことはなかったんだからね。そこはあまり、経験できなかったんですね。逆に、女が寄って来るんだから、逆効果で、嫌な連中やということになってきたんです。放っておいてくれない。

 

でも、二、三回はあったとおもいますね。(筆者注:まさかの恋バナ?! あ、違った……)お坊さんの世界でも、いろいろと厳しいところはありますからね。たとえば、比丘戒の場合はね、面接があるんですよ、自分の宗派では。他の宗派では、書いて出すテストですけど。あんなのはチョロいんだけどね。面接はすごく怖い。本山の、ものすごくトップエリートのお坊さんたちが座っているんだからね。一人だけでも緊張するのに、グループで座ったら、たまったもんじゃないんです。

 

朝から晩まで唱えていて、忘れるはずのないお経まで忘れちゃうんです。その場合は別に、失格・落第させるっていうことはないんだけど、メンツが潰れちゃうんですね。自分の師匠に対して、すごく尊敬やら「親だ」という気持ちがありますから、師匠のメンツが潰れちゃうなら死んだ方がマシだという気持ちになっちゃうんですね。お坊さんたちは別に、答えられなくなっちゃうと、ちょっとそこを変えて優しくしてくれたりするんです。だから、暗記していたものは言えるようになります。しかし、師匠に「おまえ、間違ったね」と言われちゃうと、これはもう……。師匠とずっと一緒にいるんだからね。

 

やっぱり、極限に緊張するのは、生きるか死ぬかという状況に遭遇すること、自分の人生にすごく関わりがあること、この二つですね。

 

 

東京法話と実践会 2015.10.25

http://www.ustream.tv/recorded/76180966

(1:00:00ころよりメモしました)

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