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Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

nigghosaṃ(ニッゴーサム)とは?- スッタニパータ 彼岸道品 学生ドータカの問い2

この経典に出てきた3つのパワーワード

  1. nigghosaṃ(ニッゴーサム) 波が生まれない境地
  2. kathaṃkathiṃ(カタンカティン) あいまい、中途半端
  3. sato caraṃ (サトー チャラン) サティを持って生きる

から、経典の意味に迫っていきたいとおもいます。

 

今回は一番目の、

  1. nigghosaṃ(ニッゴーサム)

     

スマナサーラ長老の解説からメモしたものは以下になります。

 

  • ghosaというのは「騒ぎ」という意味で、niで否定するので「騒ぎがない」という意味になる。
  • これは涅槃に対する形容詞。
  • 波が立たない、いわゆる「空(くう)」である。
  • 相対的な世界に対して、非相対的、絶対的という境地。
  • 何かにぶつかったら波が立つ。世の中はいつでも因果法則で、原因が揃ったら結果がでる。それが波である。例:鼻に香りが入る ➡ 匂い、という波が生まれる ➡ 認識するという波 ➡ 評価する波、これが煩悩 
  •  ヴィパッサナーでは、その波を観る。

 

波に関する説明(スマナサーラ長老談)

 

匂いの波から、複数の波が凄い速さで生まれる。それを気づきをもってヴィパッサナーする。

匂いがあるということは、自分の「内」とは関係がないこと。しかし、それを内に持って行く、煩悩として。内に持って行くことで幻覚を作る。そうしたあらゆる波がないことがnigghosaṃ(ニッゴーサム)である。

 

この偈の 日本語訳(中村元訳):

1062(1068)

師(ブッダ)が答えた、

「ドータカよ。では、この世において懸命であり、よく気をつけて、熱心につとめよ。この(わたくしの口)から出る声を聞いて、自己の安らぎを学べ。」

(ここでニッゴーサムにあたるのは、「自己の安らぎ」 です。スマナサーラ長老の解説を聴いた後では、この偈の印象がガラリと変わりました。)

 

関連エントリ:

パーリ経典解説「スッタニパータ 彼岸道品 学生ドータカの問い」1 - ブッダ ラボ - Buddha Laboratory