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Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

ヴィパッサナー瞑想で言葉のラベリングが追いつかなくて困っています

 

 Q3

瞑想初心者です。日常でのヴィパッサナー実践において、気づいたことに逐一ラベリングをしていくと言葉が追いついていかなくなり、ただテキトーに言葉を喋っているだけ、ということになってしまいます。 それでハッと気づく。

こういう場合ラベリングはしないで、身体で感じながら心でも感じ取るという方法をとっても良いのでしょうか?

 

A3(スマナサーラ長老回答)

その場合でも ラベリングを止めたら妄想になるんですね。これはどうしようもないんですよ。

 

ぴったし正確にラベリングができないことは、瞑想を教える場合はそもそも知ってますよ。 我々は一部の経験に言葉を持ってますけど、たくさんの経験がありますよ。 言葉をもってない経験が 例えば何か食べて美味しいと言うんだけど、 食べるものによって味が違うでしょうに。

 

だから単語がないでしょ? バナナ食べると「美味しい」 マンゴー食べても「美味しい」

今おにぎり食べたでしょう? どう?「美味しい」 でも味は三種類でしょうに。

だから感じる喜びも三種類でしょうに。しかし言葉がないんですね。

 

だから無数に経験があって、単語は少ないんですね。

それは瞑想の世界ではよく知ってますよ。

 

だからといって言葉を使わないほうがよろしいかというと、これは危険ですね。 言葉を使わないと脳が妄想を始めるんです。

 

というわけで英語で言えばgeneral terms。日本語にすると一般的な用語、 なんでもまとめられる単語でね。

たとえば食べ物といえば特別なたくさんの名前ありますけど、食べ物という一言で済む。

あるいは日本食という一つの単語のなかには、たくさんのものが入っているでしょう。

 

ぜんぶまとめた単語にする。

言葉が出てこない場合はそういうふうに、何かの単語でまとめてしまうという 方法がよろしいと思います。

 

この人はが日常生活でのヴィパッサナーということを言ってますけど、日常生活でラベリングする場合も、そういうふうに日常生活では誰も精密にはラベリングしないんですよ。

その場合はどうしてもgeneral termsになります。

 

「上げる」とかね。

(質問者:先生がよくおっしゃっている、 「なるべくシンプルな動詞で」ということですかね?)

 

身体の動詞はもともとシンプルだからね。 細胞単位で見れば伸び縮みだけですからね。

だから真理に近づいてくると 言葉の問題はきれいに消えます。

 

現象世界にいる時は言葉がたくさんありますからね。

だからそういうシンプルな基礎的な単語でやったほうがいいんじゃないかと思いますね。

 

この方は、気づいたことに逐一ラベリングをしているということだなので、細かい固有名詞とかなんか色々細かい単語にこだわっちゃって、頭が追いかなくなってるって事なので…… まあ追いついていける程度の、general termsという一般的な単語でまとめることをやったほうがいいと思いますね。

(了)

 

この法話を動画で見る↓

YouTubeブッダの知恵で答えます(2)

https://www.youtube.com/watch?v=1sercR3nP8k&feature=youtu.be

(07:20〜11:08 約4分間)

 

【目次】YouTube「ブッダの知恵で答えます(1)~」 - ブッダ ラボ - Buddha Laboratory