では、瞑想にかかわる経典をひとつ紹介します。
(筆者注:瞑想だけにかかわらず、子育て・自分育て・人育てに応用できるそうです)
瞑想実践というのは、ここでお話しするのはヴィパッサナー瞑想で、これは誰にでもできる瞑想です。すごく早く結果が出るはずの瞑想なんです。
長く考えても二週間で結果が見えるはずなんです。いわゆる一日計画で修行するならば、十日くらい経つと、もう悟りの境地に立っているんです。
お釈迦様が言うのには、朝から初めて午後になればもう悟っているんだよ、と。しかしわれわれはちょっとそこはね、お釈迦様がいませんからね(笑) かなり弱気で計算しても、十日くらいで十分だと思いますよ。
それでもなかなか成功しないんですね。こんなに見事な方法があるのに。
いろんな理由があって、その理由をお釈迦様が語り続けています。
一つの理由は、自分で改変してしまうこと。
しかし、お釈迦様が説かれたとおりに実践する人の場合でも、トラブルが起こるんです。そのトラブルについて語っているところで、六つの項目がある、と。
この六つの項目がある人は、頑張っても結果がでませんよと。
ポイントは六つ。
①自分の心を非難すべきとき、それを怠る
②自分の心を強引に仕事させるべきとき、それを怠る
③自分の心をほめるべきとき、それを怠る
④自分の心を放っておくべきとき、それを怠る
⑤目標が高くない、低すぎる
⑥自分というものにあまりにも執着しすぎる
この六つが揃っちゃうと、ダメだこれは(笑)と。瞑想しても。
その六つ、一つ目はたとえば、心を極限にゴミ扱いすべき時はそれをする。心に強引に仕事させるべき時は、そうする。「うまく行っているな」というときは、わが心を褒めてあげる。がんばってるんだからと、放っておくべき時は、ちゃんと放っておく。
それから、目標は高い。「悟りに達したい」。それから自我意識がないならば、見事に悟りに達しますよ、と。
心理学的な教えですよ。子育てで考えてみてください。
子供を育てるときでも、ものすごくキツく言わなくてはいけないときもある。「けしからん!」と。
強引に、傍にいて見張っていて、強引にやらせなくてはいけない時もありますね。
褒めることも必要です。「よくできました、よくできました」と。
放っておくべき時もあるでしょ。一人でコソコソと部屋で何か頑張って作ったり、集中して遊んでいると、親は放っておく。
それから、子供がすごくちっぽけな目標だったら、ちょっとまずいでしょう。合格しても、もうちょっと高い目標にしなきゃ。たとえば、そこそこ野球ができてチームに入ったら、プロになってやるぞというくらいあってもいいんです。別にプロになってもならなくてもいいんですけど、目標が低すぎて「隣のチームと試合で勝てればいい」としか思わなかったら、時間がもったいないんですよ。地域で勝って、県大会で勝って、とかあるでしょう。目標を高くしなさい、というのも子育てで大事なことなんです。
子供が失敗するのは、自我があるために失敗する。「謙虚でいなさい」と。
これは子育てでも、社員教育でも、みごとに成功します。
けなすときはけなして、強引に言うときは強引に言って、褒めるときは褒めて、放っておく時はちゃんと自由にさせる。目標は高くしてもらって、誰も自我を張らない。
ということで、頑張ってみてください。
この六つの項目を覚えておいてください。
(関西定例瞑想会 2008.12.21 スマナサーラ長老法話
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/739801.html よりめもしました)
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