質問
「本で、『混沈睡眠はよくないので、早く気づいてやめたほうがいい。普通の睡眠はいいけれども』というお話を読んだんですけど、混沈睡眠がどういうものかよくわからないので、教えていただけますか?」
回答(スマナサーラ長老)
怠けにすごく似ていると憶えておいてください。
やる気がなくて、怠けっちゃっている状態と全く同じではないんだけど、ものすごく似ていますね、混沈睡眠は。怠けは怠けでよくわかりますけどね。
くたくたに疲れて眠くなる場合は、気持ちいいんですよ、寝ちゃったらね。
「寝たい、寝たい」と寝る場合は、気持ち悪いんですね。
とにかく、脳の中で何か暗くなっちゃって、膜が張ったような感じで、動かないような状態ですよ、混沈睡眠は。すごくなんか、膜が張っているんですね。
勉強するときでもときどきありますね。
混沈睡眠の膜が張っちゃうと、聞こえてはいるんだけど、あんまりやりたくないとかね。
早く授業が終わったほうがいいやとかね。そのときは混沈睡眠なんですね。なんとなく怠けに似ている現象なんですね。
(終)
法話・スマナサーラ長老 関西月例冥想会 2016.6.19
https://www.youtube.com/watch?v=_HKuPEM2Ze0 を聞いて書きました。
参考外部サイト:
パーリ語仏教用語集 『AKUSALA−CETASKA:不善心所』
middha (ミッダ:睡眠)⇒心の機能を鈍くするはたらき
心の機能が鈍くなっていくと眠くなります。だからミッダ(睡眠)がはたらいてくると眠くなってきて、最終的には寝てしまいます。瞑想の時は、このミッダのはたらきだけは出ないように気をつけなければいけません。なぜかというと、心のはたらきをすべて鈍くしてしまうので、サティのはたらきも鈍くなって冥想実践ができなくなってしまうのです。ですから気をつけて、ちょっとでもこの睡眠の心所がはたらいていることに気づいたら、それがまだ弱いところで切るようにします。
昏沈と睡眠はよくいっしょに出てくるので、昏沈睡眠というように、二つあわせて呼ばれています。両方とも行動的でなくなって、やる気がなくなっていく暗いエネルギーです。