(人生も日々変わる-ブッダが説く諦めとは何か(9) から続きます)
子供も、日々変わっていくんですね。日々変わっていくと、親との関係も変わっていくんですよ。子供はそういうふうに変わるんだけど、親ですね、問題は。子供との関係を変えないんですね。それで相当トラブルが起こるんです。子供の親に対する愛着は、日々変わっていくんです。二十歳くらいになると、親を無視しようとするんです。仏教はそこで言うんですね。
「お世話になった人に感謝くらいしろよ。恩返しくらいしろよ」と。だから、親孝行をしなさい、と。それは大人に言うんです。子供に言っても意味がないんです。
だから仏教は、しっかり人生にアドバイスしているはずなんです。親孝行は、すべての人間がやるべき道徳であって、恩返しであって、大変大事な道徳なんですね。
お釈迦様は親に対して、「子供への執着を捨てなさいよ」と厳しく言う。*1
産んだ親しか子供を育てられないというわけではないでしょう。「必ず実の親が子育てをしないと子供が成長しない」ということはないんです。誰にでもできることです。だから、親は余計な執着をしないほうがいいんですよ。ただ生んだんだから、優先順位で自分が育てることになっただけ。
優先順位で決めたら親が一位で、親がなくなったら親戚の誰かになってくるしね。親戚の関係順になるでしょう。そういう優先順位ですよ。それがなかったら、誰かが養子にもらったりとか。公で育て上げたりとかするんですから。
だからお釈迦様が親に対して、「子供に対する執着を、愛着を捨てなさい」と。子供に向かっては、「親孝行しなさい」と、うまく分けてあります。その基本的になる真理は、「すべては変わるんだ」。それを究極的に知っている人は、瞬間瞬間、執着しない生き方をするんです。
(一切の問題の解決法-ブッダが説く諦めとは何か(11)に続きます)
関西定例冥想会 2012.07.15 ブッダが説く諦めとは何か
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/1766862.html より聞いて書きました。
その他の講演会めも:講演会など カテゴリーの記事一覧 - 瞑想してみる
*1:
注♪♪ お釈迦様や長老方の説法では、聞く相手によって内容に違いがあります。「仏教のことはあまり詳しくないけれど、育児で悩んでいる」場合は、上記リンク先のような実践的なアドバイスを参考にされるといいのでは、と思います。