(前回
なんで世の中に迷信があるのかというと、それも将来の問題なんですよ。
将来が知り得ないと、なぜ納得しないんですか。人間がそれは嫌なんですね。将来を知りたいんですね。これが欠点で、信がおかしくなる。
この神社仏閣のこのお札を身につけておけばガンが治りますよ、とか、迷信でしょ。そちらに希望願望が入っているんです。希望願望と言うのは将来のことなんです。
病気の人にとっては、当然、病気を治してほしいという希望が生まれている。なぜそんな希望が生まれるのかと言うと、誰だって「死にたくない」という欲望を持っているんです。存在欲。
だからこの罠から逃げられない。
病気になってもどうったことないでしょう。当たり前の自然現象でしょう。でも死にたくないんだから、自然現象を認めたくないんです。だからお札でも、仮に「汚物」でも、それをかぶったら病気が治りますと言われたらかぶるでしょう。
火とかいっぱい焚いて、その灰をかぶったりとか。いろいろな迷信がある。
なんで人間はそんなに占いが好きですかね。
現代時代、IT時代だと言っているくせに、気持ち悪いくらい占いに頼る。パソコンの占いまで作っていますよ。すべて嘘なのに。先を知りたいんですよ。先を知りたいということは、存在欲から出てくる病気なんですね。
そういうわけで、迷信が世の中からなかなかなくならないです。
発展している社会もすごい迷信だらけ。たとえばヨーロッパ、日本。わたしたちはヨーロッパ人がmysticという文化の中にいるんだからよく知っています。毎日のことだからね。 わたしたちの社会では、どこでも占っているんだから。その免疫さえもヨーロッパや日本人にはないんです。
昔わたしが学生の頃、ものすごい迷信が結構あってね。
占えますよ、将来と言うのはと、ある儀式をやってそこからモニターを見るような感じでわかります、という占い師がいました。そこである人が、「ではわたしが、証人の前で封筒にお札を一枚入れます。それで封をします。その番号を言ってください。それが当たったら、すごい大金をあげましょう。わたしの全財産でも構いません」と。
しかし、誰もその挑戦を受けなかったんです。その挑戦はオープンで、その人が死ぬまで挑戦を受け付けていました。亡くなってからは息子も同じ挑戦を続けているんです。
だから、免疫がないんですね、他の国々では。
(続きます
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Q:
1.仏教では出家者が占いをするのを禁じていると聞いたのですが、なぜなのでしょうか?
A. ……このようなわけで、占星術は仏教の道と反対方向へ向いているのです。
「目的がある人がその目的に向かって努力しなさい。星は何をしてくれるのか」(Kim târakâ karissati)という釈迦尊の言葉があります。