質問
「価値の高いものと価値の低いものとはなんですか」
回答(スマナサーラ長老)
価値の高い・低いが分からないことは結構ありますよ、世の中に。
これは何なのかというと、先がわからないという法則なんですね。
だから占いは成り立ちません。将来は誰にも読めるものじゃないんです。それでわたしたちは、やっぱり将来を気にするんですね。管轄外のこと、知り得ないことが気になるんだから、「どうしよう、どうしよう」という悩みが当然生まれます。それだと理解しておけばいいんです。
高校生なんかはね、大学でどんな学問をやるのかと悩むわ、悩むわ。そこで大人に聞く。「お父さん、この学部もいいし、あの学部もいいし、どうしよう?」と。でもお父さんにも答えられないんですね。
それで学校の先生に聞いたら、先生も答えられないんですね。なぜかと言うと、お父さんも先生も、子供のことはすごく心配しているけど、質問が将来のことだから、分からないんですよ。
そこで怒られる答えをわたしが出すんです。
「行きたい学部の二つを、コインの表裏で決めてください」
怒られますけど、これが答えなんです。悩む場合は。
なぜならば悩む場合は、どちらにも一理あるんですよ。
でも完全に納得はいかないんですね。そこで捨てることを決めなくちゃいけない。一つ選んで一つ捨てますよと。きれいさっぱり。
完全に良いもの、完全に悪いものもない。自分が負けなければいいという話なんですね。
日常生活にいろんな悩みが出てきます。
その悩みから逃げたい、ではダメです。そんなもんだから、いいやこちらにするぞという、すごく気楽な気持ちでよろしい。
選択を間違ったら間違ったで、そのとき直せばいいでしょうしね。直せないものは、とにかくその道でしっかりやるぞと。
選択肢がいくつかある場合は、コイン投げでもなんでも選んだら、他はもう関係ないと捨てなければいけないんですね。
捨てる気持ちがなかったら、選んだ道もうまくいきません。
その場合も捨てることが、すごく大事なポイントになります。
(東京法話と実践会 2016.04.24
http://twilog.org/jtba_talk/date-160424/asc)
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