質問
「『無常の見方』という本に、法事について書いてあるのを読みました。
小さな子供が早くに死んでしまうことになっていて、お釈迦様が法事という善行を積ませて、悪いカルマを解消させた、という話でした。
法事を行うことで、そうしたカルマを解消することがあるのですか?」
回答(スマナサーラ長老)
法事というのは、清らかなこころでいるための手段なんですね。
世の中に、神社やお寺でいろいろと法事があるでしょう。
そういうこと自体はどうでもいいことなんですよ。しかし、法事をすることでそちらに時間がかかっちゃうんですね。それにたずさわる間は、自分の精神状態がちょっと変わっているんですね。
だから、清らかなこころでいられる時間を無理矢理作ったということなんです。
宗教の世界でいろいろなしきたりをやったりお祭りをやったり、いろいろあるんですね。ふつうの怠けの人間には、そういうふうにカラクリをしてあげないと。こころを清らかにするチャンスがなくなっちゃうんですね。
法事っていうのはそういうような働きがあるんです。
法事そのものっていうのはお祭りです。
たとえばわれわれもこちらで、お釈迦様の周りでお経をあげたり、それ自体はお祭りですよ。
やってもやらなくてもいいんです。
でも、お経をあげている間、十五分くらいかかるから、その間はくだらないことを考えたりできないんです。
できるけど、しないほうがいい。
くだらないことを考えないで、清らかなこころで仏法僧のことを念じていれば、その間はこころが清らかなんです。それで善い結果が生まれてきます。
自分の悪業が解消されていいきます。
(おわり)
東京法話と実践会 2016.07.24
http://www.ustream.tv/recorded/89905720 (期間限定公開)を聞いて書きました。
無我の見方―「私」から自由になる生き方(サンガ新書) (サンガ新書 64)
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
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同じ本の同箇所についての質疑応答:
長生きしたい(1) - ブッダ・ラボ - Buddha laboratory
「長老の本で、お釈迦様が、ある家に行って家族全員を祝福しましたが、一人の子供だけ祝福しなかったとありました。その理由はその子が短命だったので、お釈迦様が母親に言って、法事をして『長生きをしますように』とお釈迦様が唱えたら、その子が短命にならずに済んだという話でした。
わたしにも子供がいます。家族が災難に合わないようにする方法は何かありますか?」