わたしはいろいろ自分の体で実験するときには、一食じゃなくて、全く食べる暇がないときもありますね。
そこで今日は食べることができませんでした、とわかるんですね。
食べられなかったのは、忙しかったからでしょう。
たとえば、お腹が空いている。しかし、食べるとあれやこれやと仕事ができなくなる。
そこで、ちゃんと仕事をするんですね。仕事すると、「あれ?」と、空腹感を忘れている。ということは、体内にちゃんと栄養があるっていうことでしょう。
溜まっている栄養を使うことになると、体が軽やかになって調子が良くなって、いつもよりも素早く動ける。
「なるほど、食べないほうがより元気だ」とわたしは自分で思った。
それは二日くらい大丈夫なんですね。
それ以上になると、ちょっと微熱が出たり、なんか調子が悪い。
「なるほど。食べないままでいいと調子に乗るんじゃなくて、何か食べたほうがいい」と自然に戻るんです。
だから面白いですよ。
胃袋は、一食で一日生かしてあげるくらいを入れられる容量を、持っているんです。
精神的に問題を抱えている人は食べまくっちゃうでしょう?
それで胃袋が生き物だから大きくなる。そこへ大量に入れるから、胃袋が伸びたままで。そうするとその人は、また胃袋が張った気持ちが出てくるまで、また食べ物を入れる。それでどんどん大きくなる。
でっかい胃袋があって、そこにおにぎり一つを入れても、胃袋はよくわからないんですね。
体重が恐ろしく増える病気があるでしょう。
西洋の医学者は何をする? 胃袋を切っちゃう。切って小さくするんです。それで食べ物を入れても胃袋が伸びない。それでやせたんだと。恥ずかしくない? 牛みたいな感じで。
それを人間に悪口言っても、人間という生命体は喜びがなければ生きていられませんよ。本当の栄養は、食べ物よりもそこなんです。だから喜びを探す過程で、そういう脱線が起きたんですね。
われわれは今、生きる為に食べているんじゃなくて楽しいから食べているんですね。
そこが問題です。それはやめてください。肉体を維持するために食べているんだと、目的を入れ替えてください。
それだけです、ブッダのアドバイスは。
(続きます
(スマナサーラ長老法話 関西月例冥想会 2016.3.27)