前回
使う人は幸せなんです。
使うことで物は消えます。一つは捨てるんですね。捨てたことは逆に言えば投資なんです。置いておいちゃうとどちらでもないんですね。
おいしい弁当を食べたことは、肉体に投資したでしょう。それから肉体を使えるでしょう。弁当代金は払って消えちゃったんだけど、肉体を動かして、また儲かっているんです。だから、使うこと自体がある程度で投資にはなります。
悲しい使い方を、お釈迦様はおっしゃっていますね。
財産をいくらか貯金してください。このシガーラ経にありますよ。何かあったら使いますよ、というのは悲しい使い方なんです。
いわゆるこの、災害はわからないんだからね。災害では役に立ちますように、と。しかし、災害で貯金を使うのは幸せじゃないでしょう、本当は。でも何が起こるかわからないんだから、念のためにいくらか財産を置いておく。それは皆さまによく理解できることですね。仏教的に言えば、そのセクションが悲しいんですね。暗いんです。
なぜかと言うと、災害が起きなかったら、使うチャンスがまったく出て来ないでしょう。でも災害が起きなかったから幸せなんですけどね。災害が起きてそのお金を使っても、災害のダメージに対して一対一にはならないね。
それから年寄りがね、わたしもそのメンバーですけど、なんの躊躇もなく薬やら治療やらお金を払っちゃいますね。これは高いでしょうと聞かない。お医者さんが、「この治療はこれくらいかかりますよ」と言っても、「いいですよ」と。
年寄りは自分の健康に対してケチりません。あれは悲しい使い方なんです、本当は。
もう壊れかけているんですよ、身体は。
もういくら頑張っても元に戻らない。この間わたしも同じことを医者に言われたんですけどね。なんとかまあ、あと一か月間くらいは持ちますよとね。だからその程度、手当てしてあげますと。もう崩れてきますよと。わたしは何も言わないんだけどね。言わなくても知っていますよという調子でいたんだからね。
それでもね、心臓が弱くなるわ、肺が機能しなくなるわ、それでもちゃんと機械を買っていられるならば、ある程度で幸せなんですね。でも、大幸福っていうことはちょっと言いづらいですね。
若いときから、収入を得る年になってからも、学んだ知識はすぐに使えるからね。
だから子供のときでも、学んだものは使える。そうすると結構幸せで楽しくなってくるんです。それで収入が入るようになってくると、使い方を学んでいくんですね。それで幸せになる。
(続きます)
関西月例冥想会 2016.6.19
https://www.youtube.com/watch?v=_HKuPEM2Ze0 を聞いて書きました。
参考書籍:
- 作者: アトゥール・ガワンデ,原井宏明
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2016/06/25
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