サムネイルが不気味な、こちらの経典解説動画をもうご覧になりましたか?
仏典によると、ある家で子供のいない第一夫人が、第二夫人に薬を盛って流産させ、さらには第二夫人をも殺したことから、その後の生まれ変わりの中で二人は、動物になっても殺し殺される関係を繰り返すという出来事があったそうです。
私の家の庭で一ヶ月ほど前、早朝5時頃ギェーギェーという鳥の鳴き声が響くようになりました。
何の鳥かと調べたところ、「オナガ」というというカラス科の鳥でした。
いつの間にか庭の木に巣を作っていました。
そんな騒々しい朝が数日続いた後、庭に鳥のヒナが横たわっているのを発見しました。
どうやら、うちの庭をテリトリーにしている野良猫たちがオナガの巣を数日前から狙っていて、鳴き声が異様に騒々しかったのは親鳥が猫を牽制していたせいでした。
そして今朝ついに、ヒナ鳥が狩られたらしい、ということでした。
庭に横たわるヒナの死骸は、その猫が置いて行ったものだったようです。
さらに別の場所には、羽と尾の部分が散らばっていました。ということは2羽以上のヒナが犠牲になったのでしょう。
猫たちは時々、トカゲなどを狩っては、やはり庭の同じ場所に置くことがあります。
私たちが手をつけずにいても、置いて行ったその獲物を回収することはないので、野良といえどお腹を空かせているわけではなさそうです。
庭に散らばったヒナの体の部分をよく見ると肉がまだ多く残っていて、食糧として食べたというより弄んだ結果なのではないかという気がしました。
庭に置かれたヒナの死骸には、翌日に銀蝿がやって来ましたが、猫はもう見向きもしませんでした。
親鳥はヒナを殺されてから1時間以上「ギェーギェー、ギェーギェー!」と鳴き続けました。
どうやらヒナは皆殺しにされてしまったようで、二日後には空っぽの巣を残して親鳥も去って行きました。
そういうことがあってから上記の法話「恨みの輪廻が果てるまで」を聴いて、あの猫と鳥たちに仏典の第一夫人と第二夫人を重ね合わせてしまいました。
彼女たちの恨みの輪廻は恨みを捨てることによって克服されましたが、同じような恨みの輪廻を繰り返している生命は途方もなく存在するのでしょう。
自分もその境遇に堕ちないように、自分の心の動きに注意深くならなくてはいけません。
こちらの動画も同じ偈の解説です。
(了)