ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

ネズミ・ゴキブリ問題を解決する【殺生】前編

質問

家でネズミが出て困っている。

駆除するためには、殺虫剤ほか捕獲のシートなど道具を使うことになる。生きとし生けるものは幸せでありますようにと実践してる身なのでそういうわけにもいかない。

かつてそういうことで捕らえたことがあるが、すべて駆除できたわけでもない。

ネズミやあとゴキブリなど、どうしらいいか悩んでいる

 

 回答(スマナサーラ長老)

わたしたちは中途半端じゃないので、わたしがいるところにゴキブリもネズミも来ないんです。

たまたま見ても、かわいいしね。かわいがったりすると、ゴキブリのほうが「お前うるさい」と出ていくんですよ。「そんなの慣れてないんだ」と(笑)

 

ネズミにしても、かわいがると、ネズミのほうが「めんどくさいなぁ。放っておいて」と出ていくんです。

 

怒りが絡んで「生きとし生けるものが幸せでありますように」と言っても中途半端です。

中途半端ではダメなんです。

 

ネズミは外から入るものだから、環境をそれなりに整理整頓する必要があるし、捕まえて外に捨てる方法もある。しかし、ネズミは家に入りたがるものだから、捨てても捨てても来ますよ。かなり能力のある生き物なんです。

 

お互い様、どちらにも生きる権利があります。完全に撲滅するぞという恐ろしいことは成り立たない。それぞれ力の勝負で、どこかに落ち着くしかないんです。

 

生かしてあげる気持ちが出てきたとたん、この問題は解決しますよ。

一応実際に日本でもそういうケースがあるんですね。

古い家で、ネズミが入られないようにするのは不可能。人々が、それだったら一緒にいようよと。しかしネズミが迷惑かけたら私も仕返しするよ(笑)と。そういうふうに明るくするとお互い本当に気を付けるということになります。

 

わたしたちが思うほど馬鹿じゃないんですよ、ゴキブリもネズミも。すごく能力があるんです。言語がなくても、しっかり考えている。言語がない生き物が考えるときはものの見事です。人間の科学者にも発見できないことを発見してしっかりやっています。

 

ヤドカリはCrustacea(甲殻類)というグループでしょう。生物の分類の中では低い位置にいるんですね。しかし、やることは?

タコも、タコだと思って馬鹿にしているでしょう。しかし、タコの能力はどうですか?

 

言葉がない、脳細胞がない生命の思考にはかなわないんです。

面白いことに、それを他の生命を破壊するために使わないんですね。他の生命を破壊するために使うのは、脳細胞がある連中です。ネズミにしても、問題にならないところを噛めばいいでしょう。しかし人間の大事にしているものをうかつにも噛んでしまうんですね。

本をかんじゃったら困りますね。

ネズミには脳細胞があるんですよ。

 

ゴキブリからはそんな大げさな問題は出てこない。ネズミは結構大きな問題を作ったりしますね。

 

しかし、かわいいと思っちゃえば、物の見事に共存するようになるんです。それが答えです。

都市部と田舎、それぞれの解決法【殺生】後編 に続きます)   

 

(関西定例瞑想会 2009.03.29

http://www.voiceblog.jp/sandarepo/825642.html  よりメモしました)

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