(前回 ラーフラ尊者へのアドバイス - 功徳(7)から続きます)
言葉をしゃべるときも同じことです。
考えるときも同じフォーマットで考えてください。何か思考が出たら、「これは善思考か、悪思考か」。悪思考だったら直ちにやめてください。そういうふうに身口意の行為を教えています。そこは戒律の、道徳の基本だと言うんだけど、本当の、別の角度から言えば、われわれの脳はまるっきり信頼できないということなんです。
われわれ人間に花はきれいなものに見えるでしょう。
それはわれわれの細胞の都合によって、花はきれいなんだと思った方がいいんです。花はきれいではないんです。毛虫に花がどう見えるかと、わたしたちは知らないでしょう。
われわれが海を見たら、「おっかない。やばいな」と思っちゃうでしょう。
それはこの体にとってはそうなんだけど、海に住む動物にとっては、海ほど素晴らしいところはないでしょう。
つまり、脳は細胞を生かすだけの能力で、ほかの能力はないんです。
事実か嘘か、脳には関係がないんです。細胞を生かしてくれるならば、なんでもいいんです。嘘でもいいんです。皆様方は、嘘はおかしいでしょう、と思うかもしれませんが、わたしたちは嘘で一日中生きているんです。
(次回 脳は自分で自分の首を絞める - 功徳(9)に続きます)
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