<前回 【恋愛】三角関係で苦しい(3) >
皆様の頭のなかにも、「こうすればいい」「ああすればいい」といろいろあるでしょう。
しかし一つも完璧な答えではないんです。
わたしも俗世間的な答えを出せます。
「わたしがこの人を好きだ」というのは脳のカラクリでしょう。
それで欠点を見えないことにしているだけでしょう。
母親が自分の子供が世界一かわいいというのは、欠点が見えなくなっているんです。ただそれだけ。
脳っていうのはものすごくいい加減で、適当で、いい加減なデータを取って自分でストーリを作る。
わが子がどんな悪いことをしても母親は認めたくない。「そんなはずがない」と。
それで躾が正しい? うまくいかないでしょう。
それが母親の希望ですかね? いい加減でろくでもない躾をするぞ、というのではないでしょう。しかし結果はよくない。
同じく愛着っていうのは、「その人が好きだ」となると、その人の悪いところは脳が見ないことにしてしまうんです。
だから、言えるのは「たくさんデータを入れてください」ということなんです。
俗世間的な答えを言うならば、「あなたはその人しか見えないのか。世の中を見てください」と。
いろんな人を見ても「あの人しかいない」というならば、病院に行くしかないんです。
人間にとって、「この人しかいない」と言える人間はいませんよ。誰でも不完全だから、ガッチリ合いませんよ。自分とピッタリ合う人間は存在すらしないんです。
それは俗世間的な立場から言えばそんなものですが、それでは答えがないでしょう。
またいろいろな人と付き合ってみても、ややこしいことでしょう。
正解は、手放す術を身につけることなんです。
手に入れたほうが重い。苦しい。
離した方が楽だと。
カバンを持ったら重いでしょう。
置いたら楽でしょう。
たとえば、わたしのカバンを誰かが持ち去ったとしましょう。
それでわたしが悩んだり苦しんだりするならば、今もカバンを手放せないんだからね。こころで持ち続けているんです。
物体としてなくなっているのに、気持ちではまだ自分の中にあるんですね。
ずーっと。
だからカバンを持って行かれたらかなり苦しんじゃいます。
もしわたしは、何かを失くしたら、いたって簡単です。
そんなものは初めからなかったということにする。それで終わり。
誰かが返してきても、受け取りません。「いりません」と。
なくなったと分かった時点で、こころでも捨てるんです。
「誰が持って行ったんでしょうか、なんでなくなったんでしょうか」ということは言いません。
そういうことで、正解は「手放す」「放っておく」ということです。
これは損をすることではなくて、これで得をするべきなんです。
それが法則にのっとって生きることなんです。
法則に従って生きてみることが、科学的な生き方なんです。法則に逆らうことではなく。
(終わり)
最初から読む:【恋愛】三角関係で苦しい(1)
《お知らせ》
11月3日(木・祝)、東京のゴータミー精舎でカティナ衣法要が行われます。
詳細外部サイト:ゴータミー精舎『カティナ衣法要』雨安居明けお布施式
カティナ衣法要についてスマナサーラ長老の解説:
外部サイト・仏教徒が衣を布施する大法要