《東京法話会2007.03.22 病気中の自己観察 上座仏教教室(千駄ヶ谷区民会館)
https://www.youtube.com/watch?v=yqMOj1UxVH
を聞いて書きました》
体の調子が悪い場合は、休んでください。堂々と。
「休もうかな。でも、やっぱり仕事に行った方がいいのかな……」と、ああでもないこうでもないと考えてばかりいるのは、暗い思考でしょう。
あいまいさ、というのはものすごく暗いんです。
皆さんは悲観的な思考だけ暗いと思っているかもしれませんが、「やりたい……いや、やりたくない。でもやりたい、いや……」というのが一番ひどいんですよ。
いつでも両極端を作って、どちらも決められなくて、あっち行ったりこっち行ったり。その暗さっていうのは結構効きますよ。それはやめてください。
病気になったら休むか、会社に行くか、はっきり決める。
休んだら、堂々と休む。行くならば覚悟を決めて、行くぞと。すぐこころが元気になりますよ、その場合は。
どうしてそんなに優柔不断ですかね。
「休めない」というのは、これは日本の問題です。
何のために仕事をやっているのかと言えば、生きるためでしょうね。
日本の社会的な問題は、わたしにはどうすることもできないんですよ。人間が病気のときに「仕事しろよ」というのはちょっとおかしいでしょうし。
しかし、ときには病気になっても仕事をしなければいけないときがありますよ。
しかし、そういう人々は病気になりません。
たとえば、事件が起きて怪我人が出た。たくさん。
お医者さんは休めないでしょう、仕事しなくちゃ、そのときは。しかし、そのお医者さんが倒れた、という話は聞かないでしょう? ちゃんと頑張っているんです。二日三日寝なくても、みんなそれでも仕事しています。ご飯を食べなくても、何のことなくタッタッタッタ、とやっています。
それはなぜかと言うと、そのときお医者さんの仕事が必要なんです、生命には。
その場合は、仕事をしている人は、その行為によって守られています。
「会社を休めない」ということは、自分の妄想かもしれません。
あなたが仕事を休んだところで、会社がものすごい損をして、倒産に陥るならば、あなたには元気が出ます。
だからその「休めない」っていうのはただの感情で、「休んだらまずい」とか出てくるのだと思いますよ。
だからまじめに仕事ができる体調じゃない場合は、休んだ方がいいとは思いますよ。
同じ職場の人にとって、その人が普段よく仕事ができているなら体調が悪くても迷惑をかけないかもしれませんが、日ごろ全くロクに仕事ができなくて失敗ばかりする場合は、体調が悪かったらなおさら休んでもらわないと、結局、得にはなりませんしね。
それからね、優柔不断で暗い思考でいるんじゃなくて、休んで自分の体の感覚を感じてみる。
調子が悪いと言ったっても、これって何だと、調子が悪いとは何なのか、と観察してみれば。
わたしが寒いときに、どうやって寒さに耐えているか知っていますか?
わたしはほとんど薄着でいるでしょう。今年もほとんど寒くなかったんですけど。
寒くてもサッと外へ出ますよ。
暖かいところから外へ出れば、「寒い」とは思います。
しかしすぐ次に、「なんだこれ、寒いとは」と思っちゃうんです。いきなりおおざっぱでいい加減に「寒い」というんじゃなくて、どの部分、どの部分が寒いのかと観ることじゃないかと自分で自分に言うんです。
それで体のどのセクションが寒いのでしょうか、と観察するんです。外を歩きながら。
そうすると寒さが消えちゃいます。
ここらへんがチョコチョコッと寒い(顔の表面)とか、ここらへんがチョコチョコッと寒い(手の甲)とか、それくらいどうったことないんです。そんなもんです。妄想で震えているんです。
だから観察すれば、そういう問題っていうのはものすごく解決します。
調子が悪いんだったら、調子が悪いってどういうことだと、部分的にセクションごとに、観察すればよろしいとおもいます。
(終わり)
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