この記事は日本テーラワーダ仏教協会の月刊誌パティパダー2022年8月号に寄稿したものを転載いたしました。
この月のパティパダーには「キリタラマヤ精舎講堂棟(アリヤマッガ法堂)落慶法要と比丘出家式参加ツアー報告」が豊富な写真付きで載っています。スマナサーラ長老がアリヤマッガ法堂と名付けた由来なども紹介されています。
パティパダーについてのお問い合わせは協会事務局まで。
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YouTube法話ガイド【27】
大念処経と禅定の心理学
先月は法話配信の回数こそ少なめでしたが、保存しておきたい法話が目立った一ヶ月でした。YouTube画面上の「保存」をクリックしておくと、後から保存した動画を簡単に見直すことができます。
【生配信】大念処経と禅定の心理学/十悪と不善のカテゴリー/対馬の仏像をめぐる紛争/正しい終活とは?|スマナサーラ長老の初期仏教Q&A(30 Jun 2022 ゴータミー精舎)
大念処経に関する質問が三連続でありました。そのなかで正念正知(sati,sampajāna)についての解説が出ました。このサティとサンパジャーナは、『サンガジャパン+』新創刊記念セミナーでスマナサーラ長老と熊野宏昭先生の対談でも話題にのぼりました。
【生配信】仏像にお供えする意味/長老の話の聞き方/来世への希望は執着?/自我を出さずに意見する方法/緊張するメカニズム・他|スマナサーラ長老の初期仏教Q&A(16 Jun 2022 ゴータミー精舎)
「心は執着がある限り、渇愛がある限り流転するのです。そのエネルギーをゼロにするためにはそれなりのパワーが必要です。無執着のエネルギーとは輪廻転生に対するすごいネガティブパワーで、それらが合わさったところでゼロになるのです。それを解脱・涅槃というのです。ですから瞑想して解脱する方は相当な力を作らなくてはいけません」(動画開始位置1:12:00より)
【再配信】無病の法則−−「身体は病んでも、心は病まないように」釈尊の金言をサーリプッタ尊者のガイドで実践する|スマナサーラ長老の初期月例講演会(05 Jun 2022 日暮里サニーホール)
幾度となくスマナサーラ長老の法話に登場してきた「相応部ナクラ父経」を、さらに新しい角度から解説した法話です。このお経はお釈迦様が病気になったナクラ居士に語った内容を、サーリプッタ尊者がよりわかりやすく噛み砕いて説いたものです。
心と物質(名色)について ~「触れる」ことから心を理解する~|2022年6月12日 関西月例瞑想会 法話
「名色(ナーマ・ルーパ)がわかりません」という投げかけから法話がスタートします。名(ナーマ)は命で、色(ルーパ)は物質ですが、色は「形」という意味もあるそうです。一方で名には形がありません。スマナサーラ長老は冒頭部分で、「ナーマには形がないということをもっと真剣に考えたらどうですか?」と問いかけました。そこから人知の及ぶところではないブッダの世界に突入します。ぜひ動画をご覧ください!
仏弟子列伝−−在家女子編
最後に、日本テーラワーダ仏教協会編集局長の佐藤哲朗さんのYouTubeチャンネルよりご紹介します。
こちらは、2022年6月11日午後2時からオンライン開催された第10回 新潟ダンマサークル 初期仏教勉強会の録画を編集したもので、出家者(比丘・比丘尼)を取り上げた4月の講義の続編として、釈尊がみずから「その第一人者」と認定した在家仏教徒の男女について、列伝風に取り上げられたものです。この「在家女子編」では11名について語られています。
動画が公開されてすぐに再生回数が千回を超えました。実は皆が聞いてみたかった「先輩たち」についての話だったのではないでしょうか。
さて今月はすでにたくさんの法話が配信されていると思います。月初めに行われた札幌の法話会を皮切りに、聞くほどに自分が成長していく摩訶不思議な法話がラインナップされていることでしょう。気になった法話は繰り返し聞いて理解を深めていけるといいですね。
(了)