(経済学っていうのは、国民の才能が生かせる場を作ることなんですよ【転輪王2】より続きます)
そういうことで、観察しながら生きる。
頑張りますよ。頑張るけれどやみくもに頑張るんじゃなくて、結果出るように頑張る。商売するときも頑張りますけど、やみくもにあちらの店、こちらの店、とかね、自分に管理できないところまで範囲を広げてやるものじゃないんです。自分の能力の範囲でストップしなくちゃいけない。
金がどれくらい儲かるのかということは、仏教では言わないんです。
金はいくらあっても足りないということになるんだから、金には気を付けろよ、病気になるんだよ、と。
仏教は金持ち反対じゃないんです。
すごい能力のある人には、たくさん金が入ることはしょうがないんです。能力のない人が、「わたしもあれくらい金持ちになってやるぞ」と思うと倒産して終わってします。金が儲かるどころじゃないんです。
それから軽々と億万長者になった人は、それでよろしい。
頑張っても貯金はせいぜい100万にもいかない人は、それでいいんです。それが能力範囲だから。それなのになんでおかしくなるのかというと、収入は100万なのに、1000万円の収入がある人と同じことをやるんです。どれほどあほかと。
「あの人は、ああいうカバン買ったんだから、ああいう車を買ったんだから、ああいう家を買ったんだから、うちもやらなくちゃ」とは、なんだそれ。
うちはうち、そとはそとで。
うちは中古車くらいだったら買えるんならそれで十分です。それですごく満足して。
そういうふうに生き方を理性に基づいて整理整頓して生活すると、一番宝物を得られますよ。
心の安らぎ。精神の健康。肉体の健康より心の健康ですよ、大事なのは。
ものすごく大事なことです。
肉体は健康にならないんです。いくら頑張っても。
何であんな馬鹿なことに挑戦するんですかね。いくら頑張っても体は病気になりますよ。
しかし心は完全に健康にすることはできるんです。
なのに、100人と話してみると、99人は精神的に病気です。お釈迦様が言うには、みんな病気だと。心が。
完治することができることを、なんで完治させないんですか。
足が痛いというのはそれほど大きいことじゃないんですよ。ちょっとのどが渇いた、というのはすごい苦しみですか。ちょっとおなかが痛くなった、その程度でしょう、肉体の苦しみは。
子供がぜんそくにかかったら、本当に見ていられないですが、大したことがないんですよ。ちょっと息が苦しくなっただけで、いろいろ対処すればすぐにもとに戻ります。
しかし、精神的な悩み苦しみというのは、ひどいものです。耐えきれないのは、心の病気なんです。
それが、完治できます。
だからそれに頑張ってください。心の健康。心が健康だとものすごく安らぎを感じる。すごく喜びを感じる。ものすごく充実感を感じる。
精神的にすごくリラックスして、ほっとしていられるっていうことがどれほど宝物だとおもいますかね?
悩みないんだよと、心配事はないんだよ、恐怖感なんか一かけらもないんだ。
それこそ、価値のない宝物なんです。
どうですかね、そういうのが全然ないでしょう?
悩みばっかしで、心配事ばっかしで、恐怖感で、脅えで、惨めで、自信がなくて、笑えなくなっちゃって、心がクッタクタ病気だったら? 肉体は、心に管理されているんです。だからなおさら悪循環。ものすごいスピードで体が壊れていくんです。
何で仏教の物語で当時の人には、若者で8400年(歳)いました、という話があるのかというと、わたしはあれは単なる作り話じゃないと思っています。どうしてかと論理的に考えると、精神的に健康だったら、ものすごい健康な心が維持する体だから、その体が一万年くらいもつ、というのはいても簡単です。
われわれのDNAは100年で死ぬようになってるでしょ。DNAというのはとんでもなく簡単に改良できます。それは人工的にじゃなくて、精神的な安らぎの心で、三代、四代、五代と続くならば、DNAが変わっていくんです。それで寿命が延びるんです。
それで経典であえて、「長寿の時は、社会には罪がない、悪がないんだと、余計な欲と余計な怒りが全くないんだ」と言うんでしょうか。「欲がない、怒りがない」とは言わないんです。「異常な欲、異常な怒りがない」んだと言います。
今世の中で何があるんですか? 異常な欲と異常な怒り以外何もないんです。
そこそこの欲、そこそこの怒りじゃないんです。
だから、政治家の方々や経済のことをまるっきり知らない経済学者がよく困っていますね。長寿になってくるとそれはすごく大きな問題だ、と。いいえ、心配することはないんです、早く死にます、みんな。
だって、子供がいなかったら世界は滅びることも理解できない馬鹿どもたちでしょ。人間は誰でも死ぬ。仕事をするのは若者なんです。子供を作ってはあかんよと堂々と言ったりして。国民はもっとバカ者だからね、それに乗って、子供三人いたらブランドのカバンを買えませんよ、外車買えませんよと。外車のほうがいいと思っているんですよ、子供より。
なんですかね、それは。一億円のものを捨てて、百円のものを買う。一人の人間の価値を知らないんですかね。
豊かな生活のためにお金がかかるんだから子供作らない、と。あれで頭がいいと思っているんですかね。世間の経済から見れば頭がいいんですけど、仏教から見れば話にならない無知なんです。自己破壊なんです。自分で自分の首を絞めているんです。
それで次に少子化問題と、今さら何を言うんですか。世界を破壊するのは誰ですか。われわれを守るべき組織ですよ、政治家と経済学者は。
だから、いい加減にブッダの教えを学んでください。
世俗的にも幸福になる道、精神的にも完璧に健康になる道なんです。すべて具体的に合理的に教えているんです。信仰の世界じゃないんです。
神を信じなさいとか、神の言うとおりにしなさいとか、そういう人間を惨めにする教えじゃないんです。
しっかり立ちなさい。独立しなさい。自分の幸福は自分で作りなさい、そうすれば大丈夫だと。人から幸福をもらうのは情けないんだ、と。
(あれほど金をばらまくのならば、何で日本のホームレスの問題を解決しないんですかね?【転輪王4・最終回】へ続きます)
関西定例瞑想会 2008.11.16 スマナサーラ長老法話
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/717080.html 音声ファイル・上よりメモしました。
転輪王1を読む⇒ブッダの貧困対策とは?【転輪王1】
関連エントリ:
すべての「説法めも」を読むには: