(戒の次はサマーディ-戒律(7)から続きます)
若者がトラブっちゃったとき、わたしがよく聞く質問は、「面白いですか?」と。
わたしのカウンセリングを真似たいでしょう? かなり智慧が必要なんです。
わたしの質問を憶えても、なにかバカバカしく聞こえるかも。
しかし、深い真理があって言っているんです。
若者が暴れまわったりいろいろトラブったりすると、「面白い?」とまず聞くんですね。
昨日相談を受けた人もかなりトラブルがあった。
「あなた、これ面白い?」と聞くと、「面白くない。できれば変えたい」と。
「それだったら頑張って。わたしにはインチキは通じませんよ」と言いました。
この人はすごく問題がありましたから。
わたしは知っていました、「この人は三十分で逃げたくなるぞ」と。
すると、やはりそういうふうになってくるんですね。
そこでわたしは、「やりたくないでしょ? どうぞ帰ってください」と、それだけ。
「そんなことを言わないで、もうちょっと頑張れ」とは絶対に言いません。
「はいはい、どうぞどうぞ(帰ってください)」と。
本当のところを言えば、三十分も修行できない精神状態で、わたしのほうはいつだって追い出したくいたんだから、逆に、その人は終わりまでいたんです。
ある程度でこころは治りました。
「こちらには、あなたに教えるつもりはまるっきりないんだ」と堂々と言うんです。
「人生をダメにしたのは、自分で好き勝手にしたからでしょう。そう言われておもしろくないんだったら、自分で直してください。方法くらいは教えてあげますよ」と、これだけ。
「やりたくなかったら、どうぞどうぞ(お帰りください)」と、そういうふうに育てるんです。
だからかえって、そう簡単に逃げられません。
(定のトレーニング-戒律(9)に続きます)
<スマナサーラ長老・関西月例冥想会 2014.05.06
https://www.youtube.com/watch?v=q0uaJAGnjXI
35:00~より書きました。>