YouTube法話ガイド【30】
スマナサーラ長老の初期仏教月例講演会
このたび、「YouTube法話ガイド」が連載第30回を迎えました。
皆様には拙い記事にお付き合いいただいてありがとうございます。この連載の前は「World Buddhist」というタイトルで世界の仏教事情を綴っておりましたが、私がインドから帰国する時期に新型コロナウィルスの流行が始まり、連載の内容もWorld(世界)からYouTube(インターネット)に舞台が移りました。
2011年、フランスに引っ越しする頃は東日本大震災がありました。
あの頃も社会が大きく揺れる中、インターネットで配信されるスマナサーラ長老の法話をフランスで聞いていました。当時はYouTubeではなくUSTREAMという配信サービスで録画がない場合が多かったので、時差の関係で早朝か深夜にパソコン画面に張り付いていた記憶があります。
私の場合は法話から地理的に遠いところへ飛ばされてしまいがちなのですが、ネット配信という現代技術によってブッダの言葉のお裾分けに預かりながらやって来られました。そればかりではなく、この「パティパダー」を海外の住まいへ送っていただけたので、最新刊が大変貴重で隅々まで何度も読みました。また、日本からの国際郵便が届くのはフランスで当たり前かもしれませんが、インドで一度も欠けることなくパティパダーが手元に来たのには驚きました。おそらく封筒に印刷された日本テーラワーダ仏教協会マークの法輪が、仏教発祥の国としてインド人の誇りを刺激したのではないかと妄想しています。
月刊誌とネット配信という、旧来と最新ツールの融合に支えられて仏道をトコトコ歩いてきました。
仏道の環境も常に変化にさらされていて、パンデミックという外的な力で急激かつ強い影響を受けることもあれば、内側から変化の潮流がじわじわ湧き起こることもあります。その一つに、東京で行われる初期仏教月例講演会の刷新を主な目的とした「リフレッシュチーム」が、日本テーラワーダ仏教協会のダーヤカ会議承認を得て立ち上げられたそうです。さらにブッダの真理を多くの人に届けるにはどうしたらよいか、皆で知恵を絞っていく試みということです。刷新内容が決まるまで、月例講演会はこれまで同様に開催されます。
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それでは先月の月例講演会をご紹介します。
Being helpful 人を助けるということ|スマナサーラ長老の初期仏教月例講演会(11 Sep 2011 日暮里サニーホール)
「人助けとは慈悲喜捨の実践です。全ての生命は自分と等しい存在である、という実感が現れるまで自分で慈悲の瞑想を修行します。それから自分の能力に適した人助けを具体的に行います。それには制限がありますが、精神的には【一切生命は幸せでありますように】と思うことができます。
繰り返しますが、人助けを実行するときは一部の生命が対象になります。【生きとし生けるものが幸せでありますように】と念じても、具体的に行動すると(どうしても)限られた生命を助けることになるのです。」
その上で『何よりもすぐれた人助けとは何か?』ということを、ブッダが説いた譬え話からズバリと教えられました。動画で1:48:00頃https://youtu.be/cUGZIWnclcs?t=6484
より、その答えが分かります。
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また、これまでに本になった過去の法話動画が2本配信されました。
嫉妬の特効薬−−ムディター(喜)の実践|スマナサーラ長老の初期仏教月例講演会(18 Dec 2011 代々木)
この講演が元になった書籍はこちらです。
『妬まない生き方』河出書房新社
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309246591/jtheravada-22/
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幻覚から目覚める−−スマナサーラ長老『スッタニパータ「犀の経典」を読む』より|クラウドファンディング記念再配信
創立1周年を迎えたサンガ新社から、アルボムッレ・スマナサーラ[著]『スッタニパータ「犀の経典」を読む』が2022年11月に刊行されます。サンガ新社によるスマナサーラ長老の2冊目の単行本です。今回もクラウドファンディングで事前予約を行なっていました。
”犀の角のようにただ独り歩め(eko care khaggavisāṇakappo)”というフレーズがよく知られている最古層のパーリ仏教聖典を読み解く貴重な法話です。
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さらに先月は、日本テーラワーダ仏教協会YouTubeチャンネルの登録者数が2万4千人に達しました。より多くの「本当の人助け」につながっていくようにと願っています。
(了)
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この記事は2022年11月号日本テーラワーダ仏教協会月刊誌パティパダーに寄稿したものです。
パティパダーについてのお問い合わせはhttps://j-theravada.net/contact/までお願いいたします。