(明日が不安、結婚が不安、子供の将来が不安、という不安から逃げてはいけないんです【新年法話3】から続きます)
「明日への不安」は現実です。事実です。
現実で事実で、物事は動きます。具体的なもので物事は動きます。
物質だけじゃないでしょ、現実とは。
明日の不安とは、物質的なものではありませんが、現実です。
物質的な明日については、私たちはそれほど不安に思いません。
すべて心の精神的な不安なんです。円が上がるのか下がるのか、経済状況はどうなるのか、そういうふうにすべて精神的なものです。
精神的不安を失くしてほしいと思うでしょ? 諦めてください。
不安が現実だから、あんた明日どうするのかい、という課題が出てきます。
じっとしていられない、怠けている場合じゃない、ということをお釈迦様は言っています。
人間は、オートでやってくれると待っています。それを真っ向から否定するのは仏教です。
「やってくれるのを待つなよ」と。
精神的に不安があったら祈れ、というのは何でしょうか。祈って何かもらったのでしょうか。自分の努力で得たのでしょう。
明日が不安だ、というのは、我々にものすごい緊急事態が生まれるんです。それがエネルギーになるんです。元気に頑張って生きるために。
元気に頑張って生きると言うことは、明日が保障されているからじゃないんです。
そこが勘違いです。
明日が保障されてないから、元気で頑張るんです。
こういうことだから、仏教の世界に入ると言うことはかなり難しいんです。
頭の汚れを落として、洗脳をできるだけ改良していかないと。
だからカッコいい世界ですよ。
難しいけれど、誰にでも達成できる世界でもあります。
「いい年になりますように」じゃなくて、「いい年にするぞ」、これが仏教的なアプローチです。
そこは一生懸命に自分で、明るく活発に努力します。
明日は保障されていないけれど、「見てみろよ」と頑張る。それで失敗しても、気を取り直してまたやる。
明日の不安を失くそうという、あほなことはしません。現実としてみるんです。
無常を、現実的に見る。そうすれば、相当ヤバイと、わかる。
明日じゃなくて、「今」が不安なんです。
不安だと言うところからエネルギーが生まれてほしいんですよ。怠けている場合じゃない、じっとしている場合じゃないと。
お釈迦様の言葉では、「じっとしている場合ですか、あなたの服に、髪の毛に、火が付いていますよ」と。それで動き出すエネルギーが生まれるでしょう。
現実を見ることによって、いまだかつてなかった精神的なパワーが生まれてきます。それで幸福になるんです。自分が幸福に気づくんです。
すべて無常で瞬間瞬間変わっていく。
この説法を聞きに座って、皆さんは、今、そこから歳を取っています。座ったときは若かったのに、もう変わっているんですよ。
現代社会は発展している、という言葉はまったく間違っていませんが、正しい、その通りと言うわけにはなりません。
なんか怠け応援ですね。
発展や進化を妨げている原因を取り除きなさい、ということです。その原因とは煩悩です。
それを一つ一つ取り除いたところで、進化の道が続いていきます。
世の中はどうなっても構わない、自分でしっかり生きてみる。
自分の責任で生きてみる。
経済不振だから、という言い訳はしません。そういうわけで、負けず嫌いの精神を作ってみてください。
(おわり)
β関西活動報告 : '12 1/09 関西定例瞑想会@マーヤーデーヴィー精舎よりメモしました。
【参考】この説法の直後の質疑応答:
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