2020年9月27日のスマナサーラ長老によるパーリ経典解説では、五下分結と五上分結のお話がありました。
これは何かというと、預流果・一来果・不還果・阿羅漢果の違いをリストアップしたものでした。
不還果までに無くなる煩悩が五下分結で、その中身は、
1、有身見 2、疑 3、戒禁取 4、愛欲(五欲) 5、瞋恚
そのうち、預流果で無くなるものは1と2と3。
加えて一来果で無くならないが消えかかるものが、4と5。
不還果で4と5が完全に無くなる。
ということでした。
五上分結とは、(番号は上下合わせて10になるので通し番号になります)
6、色愛 7、無色愛 8、慢 9、掉挙 10、無明
この6〜10を無くすのが阿羅漢だそうです。
各用語の説明は、上のYouTube法話で詳しく説明されています。
字幕をオンにして文字からもご確認ください。
今回の解説を聞いて、下の5つの束縛リスト(五下分結)と上の5つ(五上分結)は、世界が違うと思いました。
阿羅漢というのは本当にすごいのですね。
在家には阿羅漢はいないという理由が腑に落ちましたよ。
そして一来果というと、この四段階の中でなんとなく陰が薄い印象でしたが、もちろんそんなことはなかった!
預流果までいまいちだった性格が、一来果で劇的によくなるそうです。
しかし一方で少々残念なことに、預流果は頭がキレるが性格はイマイチという分析でした。
その理由は明らかで、4の五欲と5の瞋恚がまだそのまま有るからですね。
ということで、パーリ経典に悟りの四段階のチェックシートがリストアップされていたわけですが、こうしたチェックシートは準備段階に必要なものですね。
旅行に行く時の持ち物チェックシートも、必要なのは旅行の前まで。
旅行に出たらチェックシートはもう使いません。
「私は傘を持ちましたか?」と他の人に聞いたら、「自分で荷物の中を見てよ」というコントなことに。
預流果認定や悟り証明が必要ないのは、こういうことなのでしょう。
そして預流果だと世間に知らしめたところで、性格が今一歩ならばかえってトラブルの予感…
なんて想像してしまいました。