(人格が変わる-戒律(5) から続きます)
次に「殺生をしない」、というのも、もういらない。
その人が殺生するわけないでしょう。
まったく嘘をつかない人間が、人を殴ったりとか、もうないでしょうね、人間ができているんだから。
あるいは、「殺生をしない」というトレーニングをする。
トレーニングをやってみると、どんどん自分の人格が変わっていくんですね。
殺生したくなる気持ちさえ消えているんですね。
ときどき、やっぱり蚊ぐらいは殺しちゃったほうがいいんじゃないかな、と言う気持ちになる。
でも、トレーニングだから、戒律じゃないんだから、トレーニングとして頑張ってみると、やがて生命に対して慈しみが湧いてきて、生命は大事な存在である、みんな生き物であるということで、なんとなく、「どうかみんな幸せでいてください」という気分になっているんです。
そこはもう元に戻らない。
次へと頑張ってください、ということになるだけ。
一つ合格したら次から次へと……。
一つの戒律に合格するために、一年二年かかっても、そのあとは一日二日で次の戒律のトレーニングが終わりますから大丈夫です。
(戒の次はサマーディ-戒律(7)に続きます)