ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2016-01-01から1年間の記事一覧

もうすぐ結婚するんですが、アドバイスをください

質問 「もうすぐ結婚をするんですが、夫婦が幸せであるために何かアドバイスをいただけませんか?」 回答(スマナサーラ長老) わがままを捨てることですよ。 結婚するというのはそういうことでしょう、結局は。 自分の好き勝手に生きていられなくなります。…

無我がわかりません

質問 「無我がわかりません」 回答(スマナサーラ長老) わからなくていいんです。 その気持ちで結構ですよ、冥想するならばね。 無我がわからないというけれど、「自我」がわかりますかね? 自我ならわかりますよ、と言える? だから無我がわからないと言っ…

ブッダ的に夢とはなにか?

質問 「座禅をしたり冥想したりと頑張ってきました。 鎌倉時代の座禅の達人が夢日記を書いておられたと聞いて、座禅をする人が夢をみるのかと、そこで疑問に思ったのは、ブッダのことばで夢に対してどのようなことばがあるのか、ということです。また、スマ…

「南伝 ブッダ年代記 Chronicle of the Buddha」アシン・クサラダンマ著

「南伝 ブッダ年代記 Chronicle of the Buddha」アシン・クサラダンマ著 これはブッダの生涯を、誕生から成道、涅槃までを綴った物語です。 著者は、今年アラナ精舎で雨安居を過ごされているクサラダンマ長老です。 この本はもともとインドネシアで出版され…

最終回 - ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(4)

<前回 善悪は普遍的 - ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(3)> そういうことで、素晴らしいことを言っていても、貪瞋痴はあるんです。 そこまで発見することは生命には難しいんです。それでも突然発見する人もいます。それは仏教用語で独…

善悪は普遍的 - ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(3)

<前回 鋸の喩え - ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(2) > そういうことでね、立派なことを言う人は世の中に多い。 答えは、よいことは言う人と関係なく普遍的によいことなんです。 わたしが言うからよいこと、ではないんです。個人の機…

鋸の喩え - ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(2)

<前回 ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(1)> よいことを言う方は、「なんかお釈迦様の教えに似ているんだと、言っている言葉が」という場合がある。 それは、「お釈迦様の教えと似ている」ではなくて、「よいことは普遍的によいこと」な…

ブッダの教えを学ばなくてもよい人間になれるか?(1)

質問 「世の中には、お釈迦様の教えに学んでいないのに、こころが育っているような言動をする人を時々見かけます。お釈迦様の教えを学ばなくてもこころが成長するのでしょうか?」 回答(スマナサーラ長老) 人はそれぞれ無始なる過去の輪廻と言うものがあり…

「識の理解」スマナサーラ長老 初期仏教月例講演会 2016.10.01

今月1日に、スマナサーラ長老による初期仏教月例講演会が行われました。 講演会告知詳細 【東京】初期仏教 月例講演会「識(ヴィンニャーナ)の世界」~覚りの鍵を開く「識」の運用マニュアル~(スマナサーラ長老指導) 当日の実況ツイートは、こちらと…… …

最終回 - ウェーサーカ祭2007(9)

<前回 1964年東京オリンピック - ウェーサーカ祭2007(8)> 無知だけですよ、増えるのは。どんどん、どんどん。 ひとりがたくさん取っちゃうと、誰かには無いんです。 だから物があると幸せなんだけど、これがカッコ悪いんですよ。 奪い合いで取ったもの…

1964年東京オリンピック - ウェーサーカ祭2007(8)

<前回 楽しみを否定せず - ウェーサーカ祭2007(7)> おもしろいことは、皆さまが考えている幸福は、皆様全員に獲得することはできません。 世の中ですべての人間は、億万長者になりません。 そうなったと仮定すると、億万長者になってもどうったことはな…

楽しみを否定せず - ウェーサーカ祭2007(7)

<前回 渇愛をなくしたならば - ウェーサーカ祭2007(6)> わたしたちは、自分が希望した仕事が見つかりましたとかね、結婚相手が見つかった、妊娠した、子供が生まれた、といろいろなことで幸福を感じるんです。 それは確かに人間が、その瞬間のやけどの…

渇愛をなくしたならば - ウェーサーカ祭2007(6)

<前回 どこか足りない - ウェーサーカ祭2007(5)> そこでその、こころにある渇愛をなくしたら、その人が初めて幸福を感じるんです。 だから仏教は否定的に幸福を、皆様方の楽しみを否定しているわけじゃないんです。「そんなのはいくらやっても病気は治…

どこか足りない - ウェーサーカ祭2007(5)

<前回 心がやけどしている - ウェーサーカ祭2007(4)> そこでお釈迦様が言うのは、そのやけどを治したら、それほどの幸福はないんだよと。 だから、瞬間にしてその人は幸福を感じるんです。体中がやけどしていて、体の中も外も、なんでもかんでも、瞬間…

心がやけどしている - ウェーサーカ祭2007(4)

<前回 欲はすべて体にある - ウェーサーカ祭2007(3)> 世の中では、天国は永遠に幸せだ、と思っています。 みんな堂々と言いますよ。「天国に行ったら、亡くなったおじいさんが天国で楽しく暮らしているんだよ」と。わたしは一度もそういうのは見たこと…

欲はすべて体にある - ウェーサーカ祭2007(3)

<前回 「わたしのもの」とはどんなもの - ウェーサーカ祭2007(2)> そういうわけで、幸福は何なのかとお釈迦様が教えたんです。 この世の中で、人間が幸福だと思うものがありますよ、と。 それをカーマスカ(kāmasukha)というんですね。「欲から得られ…

「わたしのもの」とはどんなもの - ウェーサーカ祭2007(2)

<前回 誰が金持ちか? - ウェーサーカ祭2007(1)> それで、自分でないものを自分のものだと思って、わたしは幸せだと思っても、それは幸せではありません。 だから、「この土地はわたしの土地だ」と思っても自分のものにならないんです。 自分より鳥たち…

誰が金持ちか? - ウェーサーカ祭2007(1)

ウェーサーカ法話(2007年5月12日)アルボムッレ・スマナサーラ長老 (https://www.youtube.com/watch?v=sQT_7Z4XbwA を聞いて書きました) お釈迦様のウェーサーカ祭をお祝いする、大変ありがたい、めでたい祭りのときに、一番聞きたくない声になりますけど…

「智慧の力」スマナサーラ長老講演 2016.09.11

2016年9月11日に、スマナサーラ長老の講演会「智慧の力」が行われました。 そのときの講演内容をツイートしました。 智慧の力 pic.twitter.com/F3XjdxnAVJ — チエリ (@thierrybuddhist) 2016年9月11日 昔から人類に恐れがあった。生きていきたい、死にたくな…

自由への道順 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(13)最終回

<前回 こころの病み② - 束縛の多い世の中で自由に生きる(12)> 自由への道順 節度を守って生きて、真理を発見することに挑戦する。 それだけです。 世界と対立しないで調和を保つ。 他の生命の尊厳を壊さないこと。 すべての生命に慈悲喜捨の気持ちを実…

こころの病み② - 束縛の多い世の中で自由に生きる(12)

<前回 こころの病み① - 束縛の多い世の中で自由に生きる(11)> 「こころの病み②(執着)」 最後に入ります。 執着があるから一切の束縛は成り立ちます。執着があったら、束縛が成り立つんです。 執着とは? 生きていきたい(存在欲)気持ちがあるから、…

こころの病み① - 束縛の多い世の中で自由に生きる(11)

<前回 栄養のとり方 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(10)> 「こころの病み①」 こころは感情に支配されている。人は感情の奴隷として生きている。 仏教が考える自由はこちらにあるんです。社会の一員として自由に生きるという、あまり余計なことは言…

栄養のとり方 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(10)

(前回 身体の制限 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(9)) 「栄養補給」 物質的栄養と、精神的栄養の二つがあります。 だから命っていうのは、栄養を補給することで成り立つ一時的な現象です。 ちょっとした現象です。すぐ壊れます。この現象をたもつた…

身体の制限 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(9)

(前回 社会と縁を切ったらどうなる? - 束縛の多い世の中で自由に生きる(8) ) 「身体の制限」 肉体を持つ限り自由はなし。理解して上手に付き合うことです。 呼吸する、栄養を採る、たくさんやらなくてはいけないことがあるんですよ。 自由、自由、と謳…

社会と縁を切ったらどうなる? - 束縛の多い世の中で自由に生きる(8)

(前回 文化の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(7) ) 社会・世界との関係を切ったらどうなるのか? 面倒くさいですね。条件、束縛……あるわ、あるわ。じゃあ、それを捨てましょうか? それは不可能です。 切ったつもりになっても、自由はありません…

文化の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(7)

(前回 社会の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(6)) 「文化・習慣」 文化ってすごいんですよ。時代を生き残っているんですね。 わたしたちよりは文化のほうが強いんです。わたしたちが死んじゃっても文化は残っちゃう、という。 習慣などは、その民…

社会の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(6)

前回 国と国民、それぞれの責任 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(5) はい、四番目、「家族などの社会束縛」。 人には家族がいるので、自分勝手に生きることはできません。家族は誰にだっていますよ。わたしは出家したから家族はいないでしょう、という…

国と国民、それぞれの責任 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(5)

前回 SNSの書き方 - 束縛の多い世界で自由に生きる(4) はい、三番目に行きます。 「国・文化・習慣など」 国の法律は守らなくてはいけない。犯す人は自由がなくなります。 だから、自分が自由に行きたければ、法律を守ることでしょう? 法律を守らなくち…

SNSの書き方 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(4)

前回 地球とは - 束縛の世の中で自由に生きる(3) はい、二番目に行きましょう。 「世界の決まり」。 グローバル化になっていく現代社会で、注意しなくてはならないことですね。 仏教の場合、遠い昔からも、グローバルじゃなくて宇宙のレベルで真理を語っ…

地球とは - 束縛の世の中で自由に生きる(3)

前回 親子が仲良くすること - 束縛の多い世の中で自由に生きる(2) 環境に逆らって、環境を壊して自由には生きられません。 人間っていうのは環境を破壊する。無知でわがままな人間は地球環境を破壊するから、生命は存続の危機に陥っている。 これってどう…