(sīla(シーラ)は戒律ではない-戒律(2)より続きます。)
では何のトレーニングですかね?
これからちょっと難しくなりますから憶えておいてください。
わたしたちの頭の中で、脳の中で、(自分を)破壊するようにとプログラムできているんです。どこかのコンピュータープログラムみたいに、本当に役に立たない、面倒くさい。しかし、それがないと、パソコンが動いてくれない。
わたしたちの頭の中にも、そういうふうに役に立たないOSが入っているんです。やってはいけないことは正しいと判断する、やるべきことは間違っていると判断する。
子供ならよくわかると思いますよ。子供と言うのは「勉強しなさい」と言ったとたん、「あ~~、やりたくない」となるんです。「おもしろくない、サッカーならやりたいけど」と。これは、初めからそういうOSが入っているんです。「勉強なんてやるなよ。遊びだったらやっちゃえ」と、こころにそういうふうにプログラムがあるんです。
だから食べ物の場合も、食べたいと思うものはほとんど体に悪い物。子供に聞くと、「ニンジンは嫌い。ピーマンは嫌い。ポテトチップス? 大好き!」となる。だから親が、子供の体にいいものを食べさせるのに、ムチャ喧嘩しなくちゃあかんですね。なんですかね、これは。
憶えておいてください。われわれの脳が、われわれに対して、「やってはいけないことをやりなさい。やるべきことはやってはいけません」とプログラムしているんです。だから、トレーニングして、そこを破るんです。
(仏道はトレーニング-戒律(4) に続きます)
<スマナサーラ長老・関西月例冥想会 2014.05.06
https://www.youtube.com/watch?v=q0uaJAGnjXI
35:00~より書きました。>